東京・池袋で8人が負傷し、親子2人が死亡した悲惨な事故から4カ月。被害者は県出身の女性の親子でした。先日、遺族の姿が古里、沖縄にありました。
真菜さんの夫「東池袋の事故の署名活動を行っております。ご協力よろしくお願いいたします」
18日、那覇市の街頭に立つ男性。池袋の事故で、妻の松永真菜さん(31)と、娘の莉子ちゃん(3)を失いました。
真菜さんの夫「自分が憎しみの心や恨みの心でさいなまれるだけになってしまうと、妻と娘が私のそういう顔とか心でいるのは2人が悲しむんじゃないかという葛藤で。このような大きな事故で軽い罪で終わるようなことがあるとそれが前例になってしまう。前例にならないように」
男性は、車を運転していた旧通産省の飯塚幸三元院長の起訴と厳罰を求めて、先月、署名活動を開始。真菜さんの地元沖縄でも家族や真菜さんの友人らとともに署名を呼びかけました。
真菜さんの父、上原義教さん。今年から移住する予定だった真菜さんの家族と過ごすのを楽しみにしていたといいます。
上原義教さん「(毎回)「お父さん、じいじ」っていつも空港に迎えに行ってたので、本当に悔しいです。私にとってはきのうのようで、大切な娘とかわいい莉子ちゃんをね。まだ半分、夢を見ているような気持ちでいます。彼(加害者)が何になろうと真菜と莉子は戻ってくるわけじゃないですから。本当はこんな署名活動も私も顔を出してまで本当はやらなくていいと思うんですよ。普通に逮捕されて普通に罪を償ってくだされば」
高橋正人弁護士「刑事訴訟法の原則化をすれば逮捕されないのはひとつの理屈かもしれないけれども同種事案から見るとおかしいと思う」
署名台には、親子連れや通りがかりの人などが訪れ、この日1日で1万4000筆以上が寄せられました。
署名に訪れた男性「子どもがうちもいるので、同じ気持ちで考えて心が痛かったので早くいい方向に向かっていけたらと思い参加しました」
署名は、加害者の厳罰を求めるものですが、同時に男性は悲しい事故が減ることを強く望んでいます。
真菜さんの夫「病院で妻と娘の遺体が並んでいたんですが妻は傷だらけで娘は看護師から「見ないほうがいいです」と言われるくらい損傷が激しかったんです。2人の姿を見たときにこんな痛ましい思いを何にも悪いことをしていない人が何でこんな痛ましい思いをしなければいけないのか。なんでこんなに悲しむ遺族が出なければならないのかってすごく思って。車はどうしても人間が操作するものですからゼロにするのは難しいと思うんですが、起きなくていい事故を減らすことはできると思うのでそういった社会になることを望みます」
一瞬にして奪われた、かけがえのない存在と、日常。悲しみの中にいる遺族が様々な問題を投げかけています。