絵本なんですがタイトルは「転校生のウトゥルさん」。絵本のカバーには「けしてひとりでは読まないでください」と書かれているんです・・・。でも、この絵本、とっても素敵な絵本なんです。この絵本を描いた作家の思いをお伝えします。
しろませいゆうさん「ある晴れた日のこと、プーヒヤーが散歩をしていると、急にお尻がムズムズして、お腹が張ってきました」
読み聞かせをするこの男性はしろませいゆうさん。絵本作家・アーティストとして、県内ではもちろん県外でも多くの広告やイラストを手掛けるほか、数々賞を受賞しています。
しろませいゆうさん「これはこれで去年から書き進めてる絵ではあるんですけど、こういうものがいくつかありまして」
4年前からは本格的に絵本作家として活動。沖縄独特のしまくとぅばをキャラクターが人気です。
しろませいゆうさん「沖縄の方言を使って主人公まず立てて、その意味からちょつとひねって何かしながら物語を作っていく方法なんです」
この絵本は、ある“女の子”が転校してきた話しから始まります。
主人公の名前はウトゥルさん。おかっぱ頭、ドクロマークに666と数字の入ったTシャツを着て、いつもペットのトカゲ“ダミアン”と登校しています。
しろませいゆうさん「僕の方はもう本当に親父ギャグ使ってとか、自分の世代の時にこれ受けていたよねと言うのをただ入れているだけなんですよ。まー結局楽しく、自分が楽しくないと多分他人も楽しくないですよね、読んでる人も」
しかしクラスの女の子たちはトカゲが怖く、気持ち悪いと先生に相談しますが、先生がどんなに探してもダミアンを見つけることはできず、ウトゥルさんはダミアンやクモのフレディやヘビのジェイソンを連れてきます。
しろませいゆうさん「自分が一番楽しみながら物作って、尚且つこれが子どもに受けると嬉しんですよ。子どもって同じ絵本を何度で読んでも同じところで笑うんですよ、それがすごく嬉しくてですね」
しろまさんの作品は色彩豊かで透明感のある水彩画やアクリル画、風変わりなキャラクターで子どもや大人たちを一瞬で虜にさせる魅力を持っています。
しろませいゆうさん「ちょっと癖があるので、まー好き嫌いはあると思うんですよ。ワラビーもそうだったの、ご覧になってわかると思うんですけど、最初のうとるさんは怖いんですよ」
そう、最初のウトゥルさんはこんな感じ。一瞬ドキッとするくらい、インパクトのある顔立ちあまりにも癖が強すぎたのか…。
しろませいゆうさん「好きで書かせるとあーなっちゃうんですけど、本にした場合って、やっぱりいろんな方、新聞を見ない方とかも見ていくわけで」
しろまさんが今手掛けている新作は、水族館で起きる不思議な物語。この他にも10作品を同時に手掛けてると話します。
しろませいゆうさん「6本ぐらいですかね、だからどれが終わりになるかわからなくて、並行していきながらも、要は書いてるうちに変わっていくんですよ」
ひとつの作品が世に出るのは半年から1年半。まるでマラソンランナーのようだと話すしろまさんですが、これからも多くの人に「夢」を届けにペンを走らせます。
しろませいゆうさん「大きくなって親になった時に、あっ、この絵本まだあったんだ。自分の子に今度読み聞かせて、またそれから数十年経っておばあちゃんになって、孫の絵本探しに行ったらまたあって。その絵本が20年30年40年って、ずっと読み継がれていくような絵本は最終的には出したいと思います」