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7月21日投開票の参議院議員選挙が4日、公示されました。沖縄選挙区には新人4人が立候補し選挙戦をスタートさせています。

立候補したのは届け出順に自民党公認で公明と維新が推薦する新人の安里繁信さん。オール沖縄が推す無所属新人の高良鉄美さん。諸派新人の磯山秀夫さん。無所属新人の玉利朝輝さんの4人です。

安里さんは浦添市の大平交差点で出陣式を行い「イデオロギー闘争は平成で終わり。県民を分断することも終わり。僕らが一致団結して、どうやって沖縄の声を政権の真ん中に届けて行くことができるのか、そこに命を懸けてまいりたい」と訴えました。

さらに安里さんは公認した自民や、推薦を出した公明・維新から多くの議員たちが駆け付ける中、「沖縄のプライドをかけ県民の負託に応えるためにも沖縄の声を政権に届ける」と声を上げました。

参院選4日公示 選挙戦スタート

一方、高良さんは辺野古新基地建設予定地が見渡せる名護市瀬嵩の海岸で出発式に臨み「(辺野古の)この美ら海を、宝の海を埋め立てることは、絶対に許せないという強い気持ちで臨んでいます。これを私はしっかり訴え安倍政権に対峙してまいります」と第一声をあげました。

オール沖縄のメンバーなどが応援に駆け付ける中、高良さんは、辺野古新基地建設反対や憲法改正の議論を国政の場で訴えていきたいと強調しました。

諸派新人の磯山秀夫さんは県庁で「私が訴えることはただ1点。国民にとって一番大事なことはベーシックインカムであろうとの信念を持っております」とインタビューに答え、政府が国民に必要最低限の生活を保障する収入を支給する制度「ベーシックインカム」の実現を公約に掲げると述べました。そのために消費税を50%にしたうえで毎月10万円を国民に給付し、子どもの貧困問題や少子化問題の対策を図りたいと主張しています。

また無所属新人の玉利朝輝さんは「辺野古区民は基地を歓迎する。私たちはトランプ大統領と直接交渉致します」と述べ、20年以上続いている普天間基地の問題を1日も早く解決させたいとし、辺野古新基地建設に賛成の立場を示しました。

そして建設される滑走路を軍民共用にすることで経済を活性化させたいと主張しています。7月21日投開票の参議院選挙は安里さん、高良さんの事実上の一騎打ちとみられ、辺野古や経済振興などで舌戦が展開されます。

参院選4日公示 選挙戦スタート

記者解説 参院選スタート

ここからは、きょう公示された参議院議員選挙について選挙担当の船越記者とお伝えします。いよいよ17日間の選挙戦がスタートしました。事実上の一騎打ちと、みられていますがどんな戦いになりそうですか?

船越記者「はい。今回も4月の衆院3区補選や去年の県知事選と同様に、自民党を中心とした国政与党と県政与党を中心とするオール沖縄勢力との戦いになりました。2人の候補者について、VTRにまとめました。」

自民党公認で、公明・維新の推薦を受ける安里さん。シンバホールディングスの前会長で過去には、沖縄観光コンベンションビューローの会長や日本青年会議所の会頭を務めるなど、経済界で活躍してきました。選挙に出るのは、今回が初めて。去年の県知事選にも、出馬の意欲を示していましたが自民党が前の宜野湾市長の佐喜眞淳さんに公認を出したことから、出馬を断念した経緯があります。今回は党内のコンセンサスを得て、満を持して挑戦したといえそうです。

安里候補「政府の代弁者として国会に行くつもりは毛頭ございません。私は沖縄のプライドをかけて沖縄県民の思いを背負って、その負託に応えていくためにも沖縄の声を政権のど真ん中へとぶつけていきます」

一方、オール沖縄が推す高良さん。トレードマークの帽子から、鉢巻きに変えて選挙戦に臨みます。憲法学者として長年、琉球大学で教壇に立ってきたほか、オール沖縄の共同代表として辺野古新基地建設反対を訴えてきました。高良さんにとっても初めての選挙戦。出馬をめぐっては、社大党が現職の糸数慶子さんに勇退を促す形で擁立を決めたため、候補者選考に不満の声もあがりましたが糸数さんの協力も取り付け、力を合わせて選挙戦に挑みます。

高良候補「この平和の一議席をしっかりと守りながら沖縄の命どぅ宝の精神を引き継いで、しっかりとこの沖縄の地の現状を訴え、国にしっかりと発信をしてまいります」

各陣営、この選挙をどう位置付けているのでしょうか。

船越記者「高良さんを支持する「オール沖縄」は糸数さんが守ってきた「平和の一議席」を引き継ぐとともに県知事選、衆院選に続いて連勝し、来年の県議会選挙に弾みをつけたいところです。」

船越記者「一方、安里さんを支持する国政与党は辺野古の埋め立てが始まり、沖縄と政府との溝がなかなか埋まらない閉塞感がある中で、何とか勝利をあげたいと考えているようです。」

今回の選挙、重要な争点がありますよね。

参院選4日公示 選挙戦スタート

船越記者「はい。全国的には、安倍政権が推し進める「憲法改正」。秋に予定されている「消費税増税」。そして大きな波紋を広げた「老後2000万円問題」など。沖縄ではやはり「辺野古新基地建設」だと思います。貧困対策や、3年後に期限切れとなる、沖縄振興計画など国会議員が取り組まなくてはならない課題も山積しています。」

有権者には、候補者一人ひとりの政策を聞いて、大事な一票を投じてほしいと思います。参議院選挙の投開票は今月21日です。ここまで船越記者でした。