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さて、今月28日にある映画が公開されます。こちらをご覧ください。映画「新聞記者」”メディアは権力にどう対峙するのか”シム・ウンギョンさん演じる、若き新聞記者と、松坂桃李さん演じる内閣情報調査室の若き官僚。情報を統制しようとする国と、その闇を暴こうと迫る記者の、「組織対個人」のせめぎ合いを描いたサスペンス・エンタテインメントです。

実はこの映画、ある女性記者が自身の経験を書いた著書が原作になっています。東京新聞記者でありながら、沖縄の基地問題に関しても鋭く政府に切り込み続ける望月衣塑子記者に、会ってきました。

Q映画の感想は?望月さん「想像以上に今の政治や社会の時代性を問う、ここまでよく正面から切り込んだなという映画になったなという気がします。自分たちの政治の問題についても考えてみようかなと問い直せるような作品になったと思います。」

「新聞記者」望月衣塑子氏インタビュー

そう語る、望月さんは、東京新聞社会部の記者として、これまで”モリカケ”問題など様々な問題に切り込んできました。

菅官房長官に果敢に質問する望月さん。その姿が注目された一方で、官邸サイドから官房長官への質問の制限もされるようになりました。

望月さん「でもやられればやられるほど、私の中では「負けてられない」誰が見ても不当な質問の妨害を公式の会見でやる、それ自体が私はそれをみるだけで「なんでこんなことやっているんじゃないか」という疑問を見た方が感じてくれるだろうなという思いがあった。

そんな望月さんは、これまで何度も沖縄の基地問題に関しても疑問を官邸にぶつけてきました。

望月さん「私が叩かれた時も沖縄の方がいち早く声を上げてくれたのでうれしかったですね。」「沖縄は日本国民なんですかって亡くなった翁長前知事が言っているのを聞いているだけで胸が締め付けられる思いがあって、これだけ民意を示してもこれだけ踏みにじられるというのが日本って民主主義国家なのか?って、それが本土にいる人間だけが民主主義国家と思っているけど、沖縄にいる方たちは民主主義じゃないと思っていて、ここまで県民の民意を無視してきた政権って近年になかったんじゃないのかなと話し合いの態度を見ても強い怒りを感じます。」

「新聞記者」望月衣塑子氏インタビュー

望月さん「メディア側がもっと取り上げれば大きな国民の総意として、声となってそれが政治を動かしていくと思っている。もっと本土のメディアが報じればもっと変えられるんじゃないかと。本土にいるメディアがわかっているようでわかっていないのかなと思う。民主主義が生きていない場所があると気づかせるためにもっと発信しなければいけない。」

望月さん「沖縄の人からしたらもどかしいことが重なっていると思うんですけど、かつてに比べれば沖縄発のニュースは貴重ですし、知らないことだらけだなと日々感じていますので今のままずっと伝えてってほしい」

沖縄へもエールを送る望月さん。自身の報道の信念を語ってくれました。

望月さん「素直におかしいと思ったり、怒りを持った瞬間に、ダイレクトにおかしいことはおかしいと問い続けていくその姿勢をたとえどれだけ質問が制限されても、制限されても2問は聞ける。そうであればそのなかでできるだけ聞きたいことをぶつけていく、メディアは信頼されなくなっていると日々感じる純粋に自分自身がニュースを見ておかしいと思ったことをストレートに菅さんや政府にぶつけていく、それを続けていこうと思う。」

さて、その望月衣塑子さんと、元文科省事務次官の前川喜平さんがちょうど今、那覇市の新報ホールで映画公開記念シンポジウムを行っています。望月さんの著書を原案にした映画「新聞記者」は6月28日全国公開です。