10月に茨城県で開かれる全国障害者スポーツ大会。先月、その出場権をかけた知的障害者サッカーの九州予選が行われ、県代表チームが優勝!障害を受け入れ、練習に励む高校生を取材しました。
うるま市にある中部農林高等支援学校に通う座間味大喜(ざまみ・だいき)さん。軽度の知的障害を持つ高校3年生です。人を楽しませることが好きな彼の周りには、いつもクラスメイトが。
クラスメイト「僕が苦手な国語とか社会とかを教えてって言ったら教えてくれる。(人を)引っ張っていく力はとてもあると思う」
小学6年の時、授業についていけなくなったことをきっかけに、障害の有無について調べる検査を受けました。
座間味大喜さん「全日制の人たちの勉強が分からないというか追いつけない。小学生の時も急に分からなくなったりとか覚えられないなという感じで検査受けてみる?みたいな」
難しいことは理解できなくても、それまで健常者と同じように暮らしてきた大喜さん。突然、告げられた現実を受け入れることはできませんでした。
座間味大喜さん「中学校に入る時は支援ってなんで俺なんだろうって思って嫌々で入った」
中部農林高等支援学校に通う座間味大喜さん。試合観戦が趣味だった母・幸江(ゆきえ)さんに勧められて始めたのがサッカーです。大喜さんがキャプテンを務める知的障害者サッカーの県選抜チーム”ブルーシーサー”には、13歳から26歳までの15人が所属。チームは先月、全国大会につながる九州予選で優勝。長崎県選抜を1対0で下し、3年ぶりの出場を決めました!
座間味大喜さん「ボールを絶対100%で通す気持ち諦めない心、仲間を信じるという感じで臨んでいた」
全国の切符を掴み、チームにも変化が。
選手「自信は大きくついたと思う。練習に参加する人も増えてきているので優勝できて良かった」「コミュニケーションの面と自信がついた。日に日に(練習が)厳しくなってきているが、一人も逃げないのでみんな向き合って楽しくやっている」
それでも意思の疎通や気持ちの切り替えができず、仲間割れを繰り返すことも。チームの状態は、周囲とのコミュニケーションにかかっています。
長堂嘉元監督「暑くて体が動かない分気持ちの部分はどうかなイライラしてない?分かる自分たちで。ミスももちろん起こるよサッカーだからゲーム中そのミスに対してどういう感じかな」
座間味大喜さん「文句が多いかな」
長堂嘉元監督「どうした方がいいっていつも言ってる」
座間味大喜さん「支え合う」
長堂嘉元監督「助け合わなきゃねみんなで」
就任3年目を迎えた長堂嘉元(ながどう・よしゆき)監督には、チームを信じる強い思いがありました。
長堂嘉元監督「自分はこうしたいんだけどと思ってはいると思うが違う行動をとってしまったりして誤解されやすい。彼らはものすごく良いものを持っている。ただそれに気づいていないというか自分の良さをもっと生かせばすごい爆発力を秘めていると思うので、そこに期待している」
座間味さんの持ち味は”スピードを生かしたドリブル”それは、障害を受け入れ、サッカーに打ち込む大喜さんの強さでもあります。
座間味大喜さん「勉強ができなくても自分たちにもできるものがあるかなと思って。運動とかを必死でやってここまで目指してこられたと思っている」
母・幸江さん「自分は自分っていう気持ちがあるみたいで。何を言われようとそれを悩まないというかそれを原動力にしようという部分があるかもしれない。上を目指してほしい」