中村キャスター「さて毎週水曜日は、沖縄タイムスからコメンテーターをお迎えしてます。きょうは、沖縄タイムス県政キャップの福元大輔記者にお越しいただきました。よろしくお願いいたします。玉城県政にとっては、3区の議席を、屋良さんが守ったということで、ひとまずほっとしているのではないでしょうか?屋良さんの当選玉城県政にどのような影響をもたらすと考えますか?」
福元大輔記者「玉城知事は、屋良さんにはこれまでの経験を生かして、自由に発言し、行動してほしいと語っていました。特に膠着した辺野古問題を動かすための、一種の科学反応を起こしてほしい、と期待しています。玉城知事は、自由党県連が屋良さんの擁立を決める前から、屋良さんと水面下で接触していました。米軍基地問題を専門としてきた屋良さんへの信頼、期待が非常に厚いことを物語っていると言えます」
中村キャスター「こちらが、衆院3区補選翌日の沖縄タイムス朝刊です。福元さんが、書かれているんですが、「屋良氏の軍事論に期待」とありますね?」
福元大輔記者「辺野古問題では、県の埋め立て承認取り消しや撤回が国の法的対抗措置で取り消され、県は行き詰まっています。こうした中、アメリカ軍の運用に精通している屋良さんは選挙戦で具体的な解決策を示すと訴えました」
金城キャスター「具体的な解決策」というとどんなことが想定されますか?」
福元大輔記者「ここまでくると、状況を動かす方法の一つとして、米軍を納得させるプラン、つまり米軍にとって辺野古と同等か、辺野古よりプラスになるプランを提示することを屋良さんは考えていると思います。これは「海兵隊はいらない」と言ってきた従来の革新政党ではなかなかできなかったアプローチです」
中村キャスター「福元さん、辺野古と同等か、辺野古よりプラスになるプランと言いますと、どんなプランですか?」
福元大輔記者「例えば、屋良さんはシンクタンクの一員として沖縄の海兵隊がアジア太平洋地域で活動するための高速船を日本政府が提供するなど、必要な費用を日本側が負担するプランをすでに策定しています。海兵隊は非常に優秀な部隊で、沖縄に駐留しなくても活動できる。そのための費用を日本側が負担する。県の言うように辺野古の埋め立てに2兆5500億円がかかるならそっちの方が現実的だろうと。もちろん現行の憲法や法制度の枠組みでできるか、どうか国民的な議論が必要ですが、仮に米政府が納得するなら、思い切ってそういった方法を提示することも物事を動かす一つの手段だということです」
中村キャスター「かなり踏み込んでいますが、これまで沖縄側がとってきた戦略と違いますよね。翁長さんは代替案を沖縄が出す必要はないとずっと言ってきましたが玉城知事はどうする考えなんでしょうか?」
福元大輔記者「玉城知事は「県から辺野古の代替案を提示することはない」という翁長雄志前知事の意向を引き継いでいますが、アメリカ軍が飲むような、無視できないようなプランを屋良さんが出すなら、日本政府との対話の材料、交渉の材料になると期待しています。今後、外部有識者でつくる「万国津梁会議」を設置する予定で、そこで話し合われた内容を自分の政策に生かすという柔軟な考えを持っていて、屋良さんの政策提言や万国津梁会議での議論が今後の玉城県政の辺野古問題の方針を変える、行方を左右するような可能性も出てくると思います」