新人2人の一騎打ちとなりました。2019年9月の県知事選で当選した玉城デニーさんの議員失職に伴い実施される衆議院沖縄3区の補欠選挙が4月9日告示されました。辺野古新基地建設の是非が最大の争点です。
立候補したのは届け出順に無所属でオール沖縄が推す新人の屋良朝博さんと、自民党公認で公明と維新が推す新人の島尻安伊子さんの2人です。
屋良さんの沖縄市での出発式では、玉城知事や支援するオール沖縄の関係者が応援に駆け付けました。屋良さんは記者時代に培った基地問題への知識を生かし、沖縄の基地問題を日米両政府に訴えていくと強調しました。
一方、島尻さんは、沖縄市の胡屋十字路で出陣式を行い、自民、公明、維新の代表らが応援に駆け付けました。島尻さんは、元沖縄担当大臣の実績を前面に打ち出し、経済振興で豊かな県づくりや子どもの貧困対策などを訴え、支持を呼びかけました。
衆議院沖縄3区補欠選挙は4月21日に投開票されます。
取材している船越記者です。船越さん、両候補の第一声はどのようなものでしたか?
船越記者「屋良さんは沖縄市で第一声を挙げました。およそ7分間の演説のうち、多くの時間を基地問題に関連した話題に割き、普天間基地の危険性除去と辺野古新基地移設反対の立場を力強く訴えていたのが印象的でした」
島尻さんはいかがですか?
船越記者「屋良さんと同じく沖縄市で第一声をあげた島尻さんは、これまでの国会議員や沖縄担当大臣時代の経験や実績をアピールし、那覇に集中する県内の経済格差の解消などを訴えました。そして何より、これまでの選挙戦と違ったのは、辺野古移設容認の立場をあらためて明言したことです」
これで屋良さんと島尻さんの一騎打ちとなりますが、両陣営はどのような戦術を考えているのでしょう。
船越記者「まず屋良さんの陣営ですが、選対本部の関係者からは『知名度では相手候補に劣る』との声が聞かれました。この選挙区はもともと玉城知事の地盤だったことで、オール沖縄としてもこの選挙区を守りたい考えです。名前が知られている玉城知事とセットにして屋良さんの知名度を上げたい考えで、玉城知事も積極的に応援に回る方針です。しかし、きょうも知事は公務で上京するなど、公務の間を縫って、どれだけ応援に時間をさけるかは不透明です」
船越記者「一方の島尻さん陣営ですが、去年の県知事選のように多くの中央の大物政治家を前面に出して応援する戦術では『国 対 沖縄』というイメージがつくことや『地元の選挙』という意識が薄れてしまうなどの考えから、地道に支援者をまわり票を固める戦術をとるとみられます。これは、去年2月に行われた名護市長選挙で自民党が推薦する候補者が当選を果たしたときと同じ戦い方です。島尻さんはこれまでの実績や知名度を生かしてどれだけ票を固められるかがポイントとなりそうです」
両候補、対照的な戦い方となりそうですね。ここまでは船越記者でした。