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犬や猫の殺処分ゼロなど、不幸な動物を生まない社会をめざし、ペットショップが今月から大きな決断をしました。その背景にはどのような思いがあるのか。また今後のペットショップの姿を取材しました。

オム・ファム 宮良さつきさん「来た来た。この子たちは人なれしてるんですね」

Qプラスリポート PETBOXが犬・猫の生体販売中止へ

ここは宜野湾市内の動物保護施設。運営している「ワン’sパートナーの会」は、保護した犬や猫の譲渡会を開き、里親を探す活動などをしている動物愛護団体です。

この日、施設を訪れたこちらの2人の女性は、県内最大手のペットショップ「PETBOX」を運営するオム・ファムのスタッフ。この場所にやってきたのは、会社のある大きな決断のためでした。

オム・ファム 中村毅社長「決断にいたっては大変思いがありまして、一言で言うと、最終的に経営理念の葛藤が生体(販売)をやめる理由になりました」

オム・ファムでは今月から犬と猫を実際に店頭に並べて売る生体販売をやめ、ペットフードやグッズなどの販売に特化しています。

そこには、「不幸な犬や猫を生まない社会を作る」という企業理念があったのです。

「不幸な犬・猫を生まない」。その決断のきっかけは、数年前、悪質なペットショップやブリーダーによる事件が明らかになったためでした。

Qプラスリポート PETBOXが犬・猫の生体販売中止へ

中村社長「ペットショップに対しての世論の見方が、俗にいう存在価値が少し薄れてきた。経済性を重視するのではなく、社会性を重視していこう」

金城記者「不幸な動物を生まないためにはどうすればいいのか。こちらではNPO法人が譲渡会を開いています」

県によりますと、犬・猫の殺処分数は2013年度からの5年間で3割以下にまで減少し、2017年度は1209匹。一方で、譲渡数はボランティア団体の活動で、倍近くまで増加しています。

ワン’sパートナーの会では毎週日曜日、PETBOXの敷地内で譲渡会を開き、年間100匹余りを譲渡しています。

ペットを譲り受けた男性「殺処分ゼロに取り組まれているじゃないですか。それに賛同してこの犬をもらった」

譲渡希望者「(犬・猫を)保護して、里親(探し)を一生懸命されている方もいるので、買うよりかは、譲渡したほうがいいのかなと思います」

動物たちが再び不幸な状況に置かれることがないよう、飼い主の適性の確認や家庭環境の事前調査を徹底しています。

譲渡希望者「ベランダで飼うのは?」

スタッフ「ベランダはダメなんです。家の中で飼うというのが第一条件なので」

実はPETBOXでも今月下旬にも、店頭で譲渡会を開くことにしているんです。

オム・ファム 宮良さん「今後まず1頭、次2頭目、3頭目という感じで、今後もずっとできたらと思っています」

比嘉さん「よろしくお願いします。(譲渡の)間口が広がって、助かるわんちゃんが増えるので、とてもありがたい」

Qプラスリポート PETBOXが犬・猫の生体販売中止へ

またオム・ファムでは動物愛護団体の活動を支えようと3年前にペットリボン基金を立ち上げていて、今年1月にも店舗に設置した募金箱や、去年末のイベントの収益の一部など総額およそ111万円を県内の4団体に贈っていました。

企業が下した決断に、動物愛護団体が協力し、「不幸な犬・猫を生まない社会」の実現に向けた取り組みが始まっています。

中村社長「この取り組みを覚悟をもって私は取り組んでまいりますので、5年先、ペットショップの在り方が動物愛護団体と組んでですね。保護犬・保護猫に光を当てるペットショップに変えていきたいなと思っております」