先週木曜日に開幕した県高校野球春季大会。その中で決して人数だけではない、力を合わせて戦う連合チームを追いました。
おととい、南部農林高校で行われていた練習。参加していたのは、開邦、辺士名、南部農林、真和志の選手たち合わせて14人。今回、この4校の選手たちは、部員不足により単独での出場がかなわず、県内では過去最多となる4校連合で大会に臨みます。
その連合チームに参加する真和志高校1年の仲宗根匠(しょう)くん。真和志高校は、秋は単独で大会に出場しましたが、秋以降部員が減り、現在は仲宗根くん一人に。
仲宗根匠くん「(連合で出ることが決まった時について)少し不安もありました。」
しかし、彼にとって心強い存在がいました。開邦高校2年の新城世紀斗(しんじょう・せきと)くん。実は、新城くんと仲宗根くんは中学校の先輩と後輩。今回の連合チームで中学時代以来となる、同じチームでのプレーとなりました。
仲宗根くん「最初の練習とかで話しかけてくれてやりやすかったです。」
ピッチャーを務める新城くんも、仲宗根くんとの久しぶりの試合を心待ちにしていました。
新城くん「まずバックを信じて、後ろにも匠がいるので。」
迎えたきのうの一回戦。先発のマウンドにあがったのは新城くん。序盤、制球が定まらず、八重山商工に得点を許します。その後もピンチを迎え、新城くんに代わり、仲宗根くんがマウンドに上がります。
仲宗根くん「先輩の分まで抑えようと思いました。」
先輩の後を受け継いだマウンド。1点こそ失いますが、三振を奪いピンチを脱します。後輩の活躍に奮起した新城くん。3回から再びマウンドにあがると3イニング、得点を許しません。一方の攻撃陣、なんとか得点をあげようと食らいつきチャンスを作ります。しかしあと一本が出ません。
一つのチームとして戦った4校14人での短い春が終わりました。試合後のミーティング。悔しさから涙を流す選手も。久しぶりに同じチームで戦った二人も悔しさをにじませましたが、そこには充実感もありました。
新城くん「4チーム一緒に試合をやるのは最初で最後だと思うので、いい経験になったと思うし、とても楽しかったです。」
仲宗根くん「(新城くんとは)中学校のときもやってたので楽しかったです。」
新城くん「(Q.匠くんと対戦したい気持ちはある?)ありますね。(Q.その時は勝ちたい?)勝ちます!」
立派なチームメイトになった選手たち。夏はそれぞれのチームで成長し、再会すること誓いあいました。