25日の国会では、辺野古新基地建設を強行する安倍政権を野党が厳しく追及しました。25日に開かれた参議院予算員会で、質問に立った立憲民主党の有田芳生参院議員は次のように質問しました。
有田芳生参院議員は「総理は、辺野古新基地建設現場、視察されたことはおありですか」と質問しました。これに対して安倍総理は「私自身が視察したことはございません」と答えました。
また有田参院議員は「2月26日の記者会見で、沖縄には沖縄の、国には国の、民主主義はあるという、そういう発言をされました。民意を大事にするという民主主義は、沖縄であろうが、本土であろうが、どこであろうと一緒じゃないですか」と質しました。これに対して岩屋防衛大臣は「県民投票というのも、1つの地方の民主主義の姿であると思いますけれども、政府は、国の安全保障という大きな責任を果たしていかなければなりません。南西地域における抑止力をですね、減退させるわけにはいかないと」と述べました。
そして、日本に3頭しかいないジュゴンのうち、1頭が死に、2頭が行方不明になっていることについては、次のようなやりとりがありました。
有田参院議員は「こうやって生きて、生き生きと泳いでいたジュゴンが、2014年の8月に、海底ボーリング調査を始まってからいなくなってたんですよ」と話しました。岩屋防衛大臣は「週に1回近隣の海域をジュゴン観察のために調査をさせていただいておりますので、見つかればですね、しっかり保護きるような対応も考えていきたいという風に思っております」と答えました。
一方、問題の軟弱地盤については。有田参院議員は「3年8カ月、これはさらに地盤改良工事が必要だという、なぜ、そういう結論が出たんですか」と質しました。
岩屋防衛大臣は「検討の結果地盤につきましては、サンドコンパクションパイル、及びサンドドレーン工法という工法を使って7万7000本(の杭)を施工すると。また最大施工深度は水面下約70メートル、改良面積は約73万平方メートルで、護岸や埋め立て等の工事を、所要の安定性を確保して行うことが可能であるという結果を示したものでございます。沖縄県にも納得していただける設計変更を行ってですね。ぜひ承認をいただきたいという風に思っております」と話しました。
有田参院議員は「県知事は、県民投票の結果を尊重する義務がありますから、申請を、それを認めるはずがない。だから工事はできない。従って辺野古の基地はできないんですよ」と指摘しました。
キャスター:ここからは、現場で取材にあたった石橋記者に加わってもらいます。県民投票から1カ月、埋め立てが始まってからは3カ月、国は2カ所目の埋め立てを始めましたね。
石橋記者:埋め立てが始まった2カ所目の区域は、辺野古崎の西側約33ヘクタールの区域です。埋め立て予定面積の約2割になります。
石橋記者:去年12月に埋め立てが始まった区域が約6ヘクタールなので、2つの区域を合わせると約40ヘクタールになります。全体の埋め立て総面積が160ヘクタールとされていますから、4分の1程度の範囲を埋め立てようとしていることになります。
キャスター:工事はますます加速していくことになりますか?
石橋記者:そうとは言えません。この2つの区域をすべて埋め立てるにしても、1年半かかるとみられています。そして、まだ土砂を入れていない大浦湾側には、マヨネーズのようだとも言われている軟弱地盤が広範囲に広がってます。
石橋記者:大浦湾側の工事がスムーズにいくかどうか、ここが難所とも言えそうです。さらには、専門家の現地調査によって地震を引き起こす可能性のある活断層が存在する可能性も指摘されています。
キャスター:問題山積ですね。
石橋記者:はい、反対している圧倒的な民意、そして、現場の地形などを知れば知るほど、この先工事を続けていくことは困難だと思えてきます。
キャスター:国と県との溝がますます大きくなりますね。以上、石橋記者でした。