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好調を続ける沖縄観光ですが、一方で観光客が増えることで、課題も生まれています。人気の観光地で豊かな、自然が息づく西表島。ここも今、その課題と直面していました。

沖縄本島からおよそ460km。八重山諸島の西表島は希少生物の宝庫で、島の9割以上が亜熱帯のジャングルに覆われており、日本最後の秘境とも呼ばれています。生き物、大森林、伝統文化。そのどれもが、私たちの想像をはるかに超え魅了します。

写真家・映画監督の仲程長治(なかほどちょうじ)さん。西表島に魅了された一人です。

仲程さん「山の恩恵と海の恩恵。それが混ざっている西表。やはりここには、特殊な動物たちもいて魅力ですよね。」

そんな西表島に、実はある問題が直面しています。自然、生き物、伝統文化に恵まれた西表島。その西表島が今直面している問題とは。

仲程さん「ツーリストの方が、いま港に行くとわかるのですが、すごい数。船も定期的に来ているのですが、間に合わない状況で。ツーリストがどーっと押し寄せてきている。でも、ここ(西表島)の受け入れも全く足りていない。」

現在西表島では、島のキャパを超える観光客の増加、オーバーツーリズムなどによる環境悪化が大きな問題となっています。

その一つがイリオモテヤマネコの交通事故。国指定特別天然記念物のイリオモテヤマネコは、およそ100匹ほどといわれており、絶滅危惧種に指定されています。

やまねこパトロール 高山さん「年々交通事故が増えて、個体数が減少しているんじゃないかということで、2007年までは、(絶滅危惧)1B類だったんですけど、今最高ランクの1A類。交通事故が非常に増えて、昨年度は過去最悪の9頭(匹)が交通事故にあう。」

やまねこパトロールでは、以前から夜間の見回りを行っていたが、現在過去最悪のペースで事故が発生しています。

環境悪化の問題。もう一つは、漂着ごみ。現在の状況はこちらです。

ここは、マングローブ林の一か所。おびただしい数の漂着ごみが散乱しています。発泡スチロールや、ペットボトル、冷蔵庫など様々。

西表島エコツーリズム協会 徳岡さん「ペットボトルに関しては、今7割ぐらいが中国の物ではあります。けして日本人がゴミを出してないとか、西表の人がゴミを出していないというわけではなくて、捨てる人は日本人でもいるし。日本のゴミもたくさんながれている。」

そしてこのごみには、さらに大きな問題があります。それは、ごみの廃棄方法。西表には、ごみを処理する施設がなく、船での運搬が必要なため、多くの人手と高額な費用が必要になります。

このように大きな問題を抱えた西表島。豊かな自然と文化を明日に継承するためにあるプロジェクトが始まりました。それは、Us 4 IRIOMOTE(アスフォーイリオモテ)。

次回、このプロジェクトの活動を追います。伝統文化を継承する人たち。仲程さんが体験した、西表島の大自然。その自然を守るためには。そして、アスフォーイリオモテが伝えたいことは。次回は4月8日月曜日に放送予定です。お楽しみに。