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1日1杯、美味しいコーヒーを味わいたいという人は多いと思いますが、先月、コーヒー好きにはたまらないある体験会が行われました。1杯のコーヒーができるまで…。ご一緒にどうぞ。

沖縄産コーヒー体験会 貴重な「1杯のコーヒー」を味わう

「理想はワインレッドくらいの。これだとちょっと…。良いですね」

先月、名護市で行われたコーヒーの収穫体験会。那覇市の飲食店従業員らが、社員研修の一環で参加しました。

沖縄産コーヒー体験会 貴重な「1杯のコーヒー」を味わう

真っ赤に熟したコーヒーの実。サクランボの実に似ていることから「コーヒーチェリー」と呼ばれています。そのお味は…

参加者「甘い」「あ~、ほのかに甘いですね」

亜熱帯海洋性気候の沖縄。コーヒー豆の栽培が可能な再北限に位置し、古くから栽培が試みられてきました。本島北部「やんばる」には、栽培に取り組む農家が点在し、甘みの強い品質に全国のコーヒー愛好家が注目しています。

名護市農泊推進協議会では、おととし12月からコーヒーに親しみを持ってもらい、新しい沖縄観光の形を提案しようと、農家と市内の飲食店が協力し、コーヒーの実の摘み取りから焙煎までの体験会を開いています。

たわわに実ったコーヒーチェリー。収穫するのは赤く熟したものだけ。

さらに、コーヒー豆となるのは、コーヒーチェリーの皮をむいて、果肉を取り除いた中にある、種だけです。

沖縄産コーヒー体験会 貴重な「1杯のコーヒー」を味わう

わずか1杯のコーヒーに必要なコーヒーチェリーは、およそ150グラム。そのうちコーヒー豆となる種は、たったの17グラム。農家にとってはその1粒1粒が貴重です。

中山珈琲園・岸本辰巳さん「希少性であったりとか。1杯作るまでのこの過程ですね、そういうものも感じてもらいながら、コーヒー1杯飲んでもらえればうれしく思います」

グラス1杯にコーヒーチェリーを収穫した後には、いよいよ焙煎…。と言いたいところですが、焙煎するまでにはいくつもの工程を経ます。

沖縄産コーヒー体験会 貴重な「1杯のコーヒー」を味わう

まずは、コーヒーチェリーの皮をむいて果肉の中にある種を取り出し、機械で種を包み込む殻を剥き、さらにその殻をドライヤーで吹き飛ばして、残ったものがコーヒー豆となります。

沖縄産コーヒー体験会 貴重な「1杯のコーヒー」を味わう

1粒のコーヒーチェリーからとれるコーヒー豆は2粒のみ。

沖縄産コーヒー体験会 貴重な「1杯のコーヒー」を味わう

そしてここからがいよいよ焙煎です。焦がさないようにコーヒー豆を転がしながら注意深く火にかけます。手の疲労を感じながらも、全ては1杯のコーヒーのため…。

沖縄産コーヒー体験会 貴重な「1杯のコーヒー」を味わう

火にかけることおよそ30分。ほんのりと香ばしい香りが立ち込めると、仕上がりの合図です。

参加者たちは思い思いの方法で、1杯のコーヒーをいれます。手間暇かけた1杯のコーヒー。そのお味は…。

参加者「めちゃくちゃうまいっす(笑)」「実体験から飲むまでの工程があるんで、もっと親近感わきますよね。これがさらに地元沖縄(産)っていうのが、もっとうれしい」「今までのコーヒーと価値観は変わると思います。一杯の重さを実体験できたので。良い経験でした。すごくおいしいです」

コーヒーに詳しい山田さんは、参加者たちにコーヒーの魅力を伝えています。

COFFEE potohoto・山田哲史さん「コーヒーって本当に手間がかかるなって思うんですけど、それをみんな体験していただくというのは、1杯のコーヒーがとても大切に思えてくるんじゃないかなと思います」

体験を通して参加者たちは、1杯のコーヒーから生産者の表情を思い出し、1杯の重みに一息ついていました。

沖縄産コーヒー体験会 貴重な「1杯のコーヒー」を味わう