病院で闘病生活を送る子どもたちを訪ね、笑顔を引き出すための活動をする人たちがいます。人と関わる楽しさを伝える〝クリニクラウン〟と、バルーンなどを使った遊びを提供する〝ホスピタルクラウン〟です。クラウンたちの奮闘を取材しました。
ここは、およそ120人の子どもが入院している県立南部医療センター・こども医療センター。バレンタインのこの日、病院は甘い香りに包まれていました。
大城美紅さん「おいしそう」大城美紅(おおしろ・みく)さんは、これが3度目の入院生活です。
父・大城守一朗さん「来る前の日に保育士さんたちからあした来るよと聞くと、あした来るんだってよという感じで話をしてくれて楽しみにしているんだなと感じる。」
病棟にやってきたのは〝クリニクラウン〟子どもたちを笑顔にする〝臨床道化師〟です。「この上にこの先を入れるの。」「無理」「無理」緊張がほぐれた瞬間、ともに驚き、喜ぶ。これが〝クリニクラウン〟の役目です。
大城美紅さん「楽しかった。」父・大城守一朗さん「一緒に楽しめたので良かった。」
〝ポリタン〟の名前で活動する伊佐常和(いさ・つねかず)さんは、クリニクラウンになって14年。大阪を拠点に全国の子どもを訪ねています。
両親が沖縄出身、伊佐常和さん「自分がオープンマインドになると子どももオープンマインドになって距離が縮まった時に素晴らしい時間が生まれる。」「(病院では)子どもらしく自分をさらけ出す時間はなかなか作れない。」「クリニクラウンが行くことによって一緒になってその時間を作れる。」
先月26日、南風原町には、病気や障害を抱える子どもを支援する人たちが集まりました。クリニクラウンが提供する遊びを体験しながら、その存在について考えるワークショップです。
県立南部医療センター・こども医療センター金城小児外科部長「一番は緊張している子どもたちが和む緊張している時に私の顔を見たら笑ってくれるお互いに信頼関係ができる。」「医療もスムーズにいく子どもたちにも心のしこりが残らない。」
豊かな発想で子どもと小児科医をつなぐクリニクラウン。きょうも病室に笑いを届けています。
クラウンの活動は病院だけに留まりません。児童養護施設で行われたイベントのステージに立つのは、25年に渡って活動するクラウン・コトラさん。次々と繰り出されるバルーンパフォーマンスに、子どもたちは釘付けです。
クラウンコトラさん「笑うことで気持ちが上がって病気や心の病も吹き飛んでくれればいいかなと。」
イベントなどを中心に活動するコトラさんが目指していること。それは〝何かのきっかけになるパフォーマンス〟幼い頃、コトラさんのステージに救われたという女性がいました。
儀間千秋さん「うまくいかない時とか苦しんでいる時とかに。」「(パフォーマンスを)見ると忘れることができて。」「私にとっては一番大事な時間になった。」
クラウンコトラさん「いろんなパフォーマンスを見て外に出て行けたりとか、自分のパワーにして次の活動につなげようという気持ちになってくれるといいかなと思う。」
石垣優子さんは、バルーンなどを使って病院の子どもたちの笑顔を引き出す〝ホスピタルクラウン〟を目指しています。病院でのボランティアをきっかけにこの道を志した石垣さん。1年間のホスピタルクラウン養成講座を終え、まもなく行われる認定試験に挑みます。
日本ホスピタル・クラウン協会大棟耕介 理事長「スキルはこれから身に付けなければいけない、経験も身に付けなければいけない、そんな中で丁寧にやってくれそうだなと思っている。」
ホスピタルクラウンを目指す石垣優子さん「子どもらしさが出るようなことをやっていけたら」「病気であることを忘れさせるようなそういう活動ができるクラウンになっていけたらなと思う」
様々な場所で活躍するクラウン。子どもたちを笑顔にする活動が続きます。
日本ホスピタルクラウン協会では、クラウンを目指す人のための養成講座の説明会を来月9日、沖縄で行う予定です。詳しく知りたいという方は協会にお問い合わせ下さい。
日本ホスピタル・クラウン協会 052-483-7789