辺野古新基地建設に伴う埋め立ての賛否を問う県民投票まで1月24日で1カ月。しかし、5つの市が不参加を表明したことで、全県実施が危ぶまれる中、24日、県議会の代表が集まり選択肢を3択に増やして合意し、全県実施に向かうのか大きなヤマ場を迎えています。
きょう緊急で開催されたのは県議会与野党の代表者会議は緊迫したやりとりで始まりました。県議会すべての会派から代表者を集めて県民投票の選択肢について「賛成」と「反対」に「どちらでもない」を加えて3択に増やすかどうか午前中から、最終調整が続いています。
玉城県政を支える与党会派は3択案に賛成していて不参加5市に対し、全会派での参加要請にこぎつけたい考えです。
一方、野党の自民党は県民投票自体の仕切り直しを求めています。県民投票を巡っては現在、5つの市が2択では多様な意見が反映されないとして不参加を表明し、有権者の3割が投票できなくなる可能性が出ています。そのため、新里議長が全県実施に向け与野党の調整役として動きました。
その後、自民党から出たのは「やむを得ない」「反対」「どちらともいえない」の新たな3択案の提案でした。
中継、現在の県議会です。議会は、自民党の新たな3択案を受けて休憩に入り、現在も再開のめどは立っていません。与党会派の議員は午後誤5時前から議長室で協議与党の照屋大河議員は自民党案は「厳しい」と野党側に伝えたということです。合意に向けた協議は断続的に続いていますが、極めて厳しい状況だといえます。
記者解説 3択与野党調整続く 自民党も3択新案提示
さて再び県民投票の話題をお伝えします。投票の選択肢を3択にする条例改正へ向けた調整が大詰めを迎えていますが、投票日まではあと1カ月しか残されていません。紆余曲折が続く県民投票はどこへ向かうのでしょうか。久田記者とお伝えします。
記者「はい、2月24日という実施日は去年11月に決まったのですが、いまだに内容をめぐる駆け引きが続き、大混乱となっています。」「おとといには自民党が、県民投票の「仕切り直し」を求める声明を出すなど迷走が始まりました。」
「一方2択での実施を追求し苦しい立場に立たされていた与党会派は結束し、県議会全会一致なら、と3択容認に方針転換、譲歩したんですね。」「ここで3択への態度を示していないのは自民党だけとなり自民党が窮地に立たされたのですが、先ほど、新たに「自民党案」が出てきました。」
「こちらが議長が示した3択案で、新たな自民党案はこちら。比べてみますと、「賛成」を「やむを得ない」に言い換えた3択であることが分かります。」
関係者の受け止めはどうなんでしょう。
記者「「辺野古」県民投票の会は、「賛成反対という当初の前提が根底から覆すような提案で、認められない。「どちらでもない」の選択肢が最大限の譲歩だった」と強く批判しています。」「また、「本来は反対だけど、政府が強行する現状では『やむを得ない』という人の意見も含まれてしまう。政治的な意見となり、県民の自己決定という県民投票の趣旨からかけ離れることが懸念される」と話しています。」
「県政与党にとっても、2択を求める支持者らの反発もあるなかで3択容認に踏み切った背景から、「やむを得ない」の選択肢は受け入れられない案だろうと思います。」
いずれにしても、もう「2択」の県民投票ではなくなった、とみていいのでしょうか。
記者「はい、県によると、不参加を表明している5市に対して、謝花副知事が水面下で意向を確認し、3択での実施にほとんどの市が肯定的な姿勢であることを確認したそうです。」
謝花副知事「基本的に沖縄市・宜野湾市・うるま市、これについては本当に前向きな対応、返答頂いたところです」「宮古島市長は…県のほうでまた説明もしっかり説明をしてやって頂きたいとご要望を受けたところです」「(石垣市の)中山市長におかれましても、この市議会にですね、しっかり説明したいというような話も昨晩頂いたところです」
記者「県に対し特に前向きに返答したのは宜野湾市、沖縄市、うるま市の3市、宮古島市と石垣市を含めても、否定的な見解を示している市はない、というのが現状ですね。」
今後はどうなるのでしょうか。
記者「はい、仮に「賛成」「反対」「どちらでもない」の3択で決着するとした場合、不参加を表明した5つの市では議会が関連予算を否決していますから、それでも予算を支出して、県民投票に参加する決断を5市の市長が行うことになり、その意志表明が注目されます。」「ただ自民党は原状ではこの案は飲めないと明言しており、調整が決裂すれば、結局5市が不参加の可能性も残ります。」