年末14日、駆け込みで強行された、辺野古への土砂投入。年明け早々から作業が再開されています。
中村誠カメラマンは「辺野古では埋め立てが進められており、海が茶色く濁っているのが見えます」とリポートしました。こちらは午前9時すぎの辺野古の様子。数隻の警備艇、そして土砂を投入するトラックが確認できました。
中村記者は「キャンプシュワブの工事車両が出入りするゲート前では、埋め立てに反対する人たちが抗議活動を続けています」とリポートしました。座り込みに参加している男性は「沖縄の言葉で言うと、わじわじーということだが、知事も頑張っているし、僕らもずっと頑張る」と話していました。
また女性は「埋められたことそのものは悔しいし、腹が立つが、埋められた、取り返しがつかないということには全然なっていない」と話しました。
新基地建設に反対する人々は、プラカードを掲げて抗議。工事車両の進入を止めようと座り込む人々を警察が無理やり連れ出し、騒然としていました。
キャスター:ここからは比嘉記者とお伝えします。辺野古では埋め立てが進められているようですが、どうなっているんでしょうか。
比嘉記者:はい。まず、大浦湾に突き出すこちらが辺野古崎です。これに、辺野古新基地の図面を重ねるとこのようになります。計画では、1800メートルの滑走路が2本、さらに軍港機能も備えていることが記されています。埋め立ての面積はおよそ160ヘクタール、使われる土砂の量は2100万立方メートルです。
キャスター:埋め立てが始まったのはどのあたりでしょうか。
こちら、2-1工区と言われる部分ですが、面積にして6.3ヘクタールで全体の4パーセント。しかも今回の工事は20カ月かかる予定ですが、使われる土砂は実は全体の0.6~0.7パーセントにしかすぎません。まだ始まったばかりなんです。
比嘉記者:先月14日の土砂投入で「もう後戻りできない」印象を植え付けた形でしたが、土木建築に詳しい人からは「いずれ暗礁に乗り上げるだろう」という指摘もあります。
土木建築に詳しい、沖縄平和市民連絡会の北上田毅さん。
北上田さん「(今回の)埋め立てが完了したとしても面積で言うと4パーセントなんです。必要な土砂というのは13.75万立方メートル、だから2100万立方メートルという全体の量で言うと、0.6~0.7%にすぎない。非常に困難は伴うとしても土砂の原状復帰は可能だと考えています。
さらに北上田さんは、ある理由から辺野古新基地建設は不可能だと指摘します。北上田さんが去年沖縄防衛局から入手した地盤調査の報告書によると、大浦湾側で護岸工事が予定されている海底には軟弱な地盤が広がっていることがわかりました。
北上田さん「(大浦湾側の)護岸のラインに沿った海底の地層の断面図です。海底の地盤がどうなっているか、示しているわけです。黄色い色の部分は砂の軟弱地盤。水色の部分は粘性土の軟弱地盤ということで、これはC1だけではなくてC3の方にも広がっているわけですね。
北上田さん「(調査のためのハンマーを)落とすまでもなく、器具をセットしただけで先端がずぶずぶと入ってしまったという、まさに”マヨネーズのような地盤”と言われています。」
比嘉記者:北上田さんは、現状では新基地建設は不可能で、この地盤を改良するにしても、莫大な費用がかかり、さらには生態系に深刻なダメージをもたらし、当初の環境影響評価の前提すら崩れてしまうと指摘します。
キャスター:政府の強行を冷静に判断する材料はまだあるということですよね。
比嘉記者:そうですね。北上田さんはほかにも、大量の土砂を県外から持ち込むことについても、県の条例に基づいて様々なハードルがあると指摘しています。
キャスター:来月24日には県民投票も予定されていますよね。
比嘉記者:はい。そもそも現状で不可能な工事を後戻りする余地はまだあるといえますね。
キャスター:ここまで比嘉記者でした。