県内の最先端ビジネスを紹介しているQビズです。年々、県内を訪れる観光客が増える中、提供する食事では食物アレルギーをもった方への対応が進んでいます。きょうは、県内企業の食物アレルギー対応の最新事例と県内の大学生たちのある取り組みについてお伝えします。
実近良雄記者「やっぱり沖縄料理はおいしそうだな~。そうだ、きょうご一緒する方、確かアレルギーをお持ちだったんだ」
「良かったらどうぞ、ぜひ見て行ってください」
今年10月、那覇市の商店街で行われたイベントに出店したこちらのお店。売られているのは、玄米を使ったアイスクリームや米を原料とするマカロニ。アレルギーの原因となる7品目を含まない、アレルギー対応食品です。
お客さん「娘がアレルギー持っているので、安心して食べられるというのは本当にうれしいですね」「お米の味がした」
商品を販売したのは大学生たちです。
参加した学生「豆乳と水あめ、甘酒でつくられたアイスなんです」
実はこの大学生たち、4月から県内での食物アレルギー対応の現状や課題の調査を行っています。
アレルギー対応沖縄サポートデスク・田村磨理理事「アレルギーをどうやってみんなに説明していくのかという方法も彼女たちにはいい勉強になったんじゃないかなと思います」
活動では、実際に県内で食物アレルギーをもつ人のサポートを行う専門家のアドバイスを受けました。
アレルギー対応沖縄サポートデスク・栩野浩理事「アレルギーを持っている人たちはすごく大きな問題であって、それをどうやって広くアピールしたらいいのか、どういう風なアプローチをすればより多くの人が共感してくれるのか。そういう面ではすごくいい勉強になったんじゃないかなと思います」
学生たちはこれまで9カ月にわたり、国際通り周辺の飲食店の食物アレルギーへの対応を調査してきました。
そしてこの日訪れたのは、こちらの店舗。学生たちが待つ中、出されたのは、アレルギーの原因となる10品目を完全に除去した沖縄料理。
米粉を使った沖縄そばのほか、ホワイトソルガムと呼ばれるキビを使ったサーターアンダギーなど全7品。調味料も全て、アレルギーの原因物質を含まないものを使用しています。
参加した学生「美味しいです」「めちゃ美味しかったです。普通のサーターアンダギーより美味しい。サクサクとした部分が」
県内で飲食店を35店舗展開するこちらの企業では、そのうち、国際通りを中心に17店舗で食物アレルギーへの対応を強化しています。
全店舗合わせ、年間6万人以上の修学旅行生を受け入れていて、アレルギーをもつ生徒が年々増えていることから、2年前からこの10品目完全除去メニューを提供しています。
JCC観光営業部・伊佐竜太係長「沖縄料理の味であったり、食感というものを、できるだけ、アレルギーをお持ちのお客様にも近いものを提供させていただきたい」
調査を終えた学生たちは今、最終的な成果として、国際通りの飲食店のアレルギー対応をまとめたマップを製作しています。
参加した学生「成分表示とかがここのほうがきれいにそろうというか、見やすいわけ」
食物アレルギーに特化した本格的なガイドマップは、これまでありませんでした。
沖縄大学法経学部・豊川明佳准教授「見つけた必要性を形にしていく。その取り組みを自分たちでどのようにするか、考えること、そして社会の役に立っていく、ということができたらいいなと思って始めました」
沖縄大学豊川ゼミ・田原舜さん「自分がもしその人の立場だったら、こういうふうに助けてほしいなという、助けてほしいと思う部分があるから、そこを助けられるように、汲み取れるように、していきたいと思っています」
国際通りの食物アレルギー対応マップは来年3月までに完成する予定です。