視覚や心身に障害をもった人たちが協力して、このほどアニメーション作品を作り上げました。一体どんなアニメーションなのでしょうか。
儀間さん「ワンネー、ヘークーヤーンカイケーティナランクトゥ。(私は早くおうちへ帰らないといけないので)」
声優女性「ワンネー、ヘークーヤーンカイケーティナラングトゥ。」
儀間さん「OKOK、これを幽霊のように、気持ちになって。」
楽しそうにアフレコをしている人たち。彼らは那覇市にある障害者就労支援事業所の従業員です。普段は清掃や洗濯などを請け負っていますが、今回、社長の儀間真一郎(ぎま・しんいちろう)さんが企画・考案してアニメーションづくりに挑戦しました。
儀間さん「障害なってから降りてきた。突然描かんといけなくなった。糖尿病がきっかけで僕45ですけど39歳の時に目を失うんですね。目失って自殺未遂2回しますね。その時に離婚するんですよ。借金も抱えてて。もう死ぬしかないって思ったんですけどね。」
これが、儀間さんが見ている世界。左目は全盲、うっすら見えている右目も大きく視野が欠損し、世界は薄暗く、ぼんやりしています。
儀間さん「手術終わって今日(包帯を)はずしますっていった時にね、光だけがよ、見えたんですよ。初めてね、生きようと思ったわけ。嬉しさが何とも言えない。嬉しかった。10億円当たるよりも嬉しかった。」
それから儀間さんは事業所を立ち上げました。スタッフのひとり、吉田さんも統合失調症という疾患をもつ障害者です。
吉田さん「かなりやりがいを感じます。絵を描くだけじゃなくて、みんなで声を入れたりとか脚本を作ったりとか。」
儀間さん「障害者の人があまりにも夢を諦めてて、生活保護や障害年金があるからって現状なんですよ。違うだろと。そういう部分でどうにか、どうにか!何か世のためのね、特に未来の子ども達に残していこうよと。」
そうして出来上がったのが、この「うちなーのんかしばなし」。名護に伝わる「夫振岩(ウトゥフイジー)」と怪談「美栄橋十貫瀬(みえばし・じっかんじ)の逆立ち幽霊」の2本立て、約30分です。
この日は豊見城市に寄贈されました。ウチナーグチを使ったアニメは教材として学校などでも活用してもらうことになっています。
豊見城市長「子ども達が見て、言葉も学びながら物語を学んで、学校にもうひとつの教材として色々活かしていけるようなツールが出来上がったという事だったので大変うれしく思っています。」
吉田さん「ワクワクしなさいって(社長に)言われるので。ワクワクしながら、ドキドキしながら失敗しながらも頑張ってます。」
儀間さん「生きよう、何かのために、世のために本気でやろうと思ったんですよ。今できないことはない、今をやりなさい。」
アニメーション「うちなーのんかしばなし」。障害を越えて何が出来るのか、新たな可能性を示しています。
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