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続いてはQプラスリポート、まずこちらをご覧ください。日本国内では8つの地域の言語が消滅の危機にあります。しかもその半数以上が、奄美大島を含む琉球列島で使われている言葉なんです。

消滅の危機にある言葉を受け継ぐ島の人々とちょっと変わった研究者の姿を追いました。

アイヌ語「(言葉を大切にしよう)」

八丈島語「ことばをで~じにそごん」

国頭語(与論島)「しまぬくとぅばにあっちゃーならんどーや」

2009年、ユネスコが発表した消滅危機言語。国内ではアイヌ語や沖縄方言なども含まれています。

その消滅危機言語を話す人や研究者たちが集まり開催された「方言サミット」。そこに、なにやら変わった髪型の人が・・・。

国立国語研究所准教授山田真寛博士「だめですかね?島とか初めてあった人に覚えてもらえるようにです。変な髪の人って」

山田真寛博士。こうみえても、言語学者。与那国島の言葉を研究しています。山田博士が与那国の言葉と出会ったのは8年前。島の人々に教えてもらいながら研究を進めてきましたが、まわりの反応は様々でした。

国立国語研究所准教授山田真寛博士「一番よく聞くのは、そんなのやって何になるわけ?って。僕ら映画見たり音楽聞いたり絵を見たりとか、そういうこともしますよね。(言葉は)道具として使うだけではないということ」

コミュニケーションの道具というだけでなく言葉は生活を豊かにするもの。山田博士は与那国島の言葉を復興させようと方言教室を開いています。

Qプラスリポート 消滅危機言語

島外から移住した村松稔さん「僕なんか間違いいっぱいだと思うんだけど怒られながらんだけれども今、最後のチャンスと思うので」

与那国島の言葉を、聞いて、話して育った世代は、60歳以上。流暢に話せる人は少なくなり、まさにいま、この島で生まれ島と共に歩んできた与那国の言葉は消滅しようとしているのです。

田頭さん「はさんかいってぃ、かみ、っかってぃり(Q普通のかじゃだめ?)かじゃない、か!と吐き出すんじゃなくてか♪鼻を閉じて、か♪」

消滅の危機にある与那国の言葉。山田博士の記録調査に一役買っているのは73歳の田頭さんです。

国立国語研究所准教授山田真寛博士「やっぱり知らない単語いっぱいありますね」

Qプラスリポート 消滅危機言語

田頭さん「ああゆうのがあったね、こういうのがあったねって言葉をなんとか掘り起こしてそしたらね懐かしいんですよ。思い出せないみんな頭抱えて、何て言ったかってこんな調子ですよ。これね、今やらないと大変なことになっていたな」

地元の小学校などで島の言葉を教えている田頭さん。子どもたちに興味を持ってもらうにはちょっとしたコツがあるそうです。

田頭さん「例えばね、孫がテレビに何かやっているとおじいちゃん見て見て、っていうでしょ。あのね、見て見て、っていうのは『んにゃんにゃ』って言うんだよ。方言でんにゃんにゃ、んにゃんにゃ、というと乗ってくるんですよ『え?んにゃんにゃ?なんだかおかしいよ~』って」

なんだか変、だけど、なんだか面白い、そんな言葉の魅力を詰め込んだのが、この本です。

田頭さん「くいんだしあんびんだんぎ(声に出して遊ぼう)」

Qプラスリポート 消滅危機言語

田頭さん「ひびだぬひー(やぎの屁)」

国立国語研究所准教授山田真寛博士「田頭さん真面目に発音するから面白いんですよ。やぎの屁とか言って」

田頭さん「またくわえ(また来なさいね)」

国立国語研究所准教授山田真寛博士「またくんろ。(また来るよ、また教えてくださいね)」

子どもたち「ばんたやあいぐんすにさどぅありゃたいぐんでぃたてぃんだんぎぇ~」

一方、地元の幼稚園でも島の言葉を子どもたちに伝えようと取り組んでいる女性がいました。よなぐに幼稚園の先生、與那覇悦子さんです。

Qプラスリポート 消滅危機言語

與那覇悦子先生「みんな与那国の歌で、ディラブディって歌があるの知ってる?」

山田博士と与那覇さんが与那国に伝わる歌を元に制作した絵本。島の言葉で語ります。

子どもたち「(Qどこがおもしろかった?)おなか。食べすぎの最後。全部面白かった」

與那覇さんにも島の言葉が危機的な状況にあると感じた出来事がありました。自分の子どもに、なにげなく島の言葉で話しかけたときのことです。

與那覇悦子先生「お母さん何の言葉使ってるの?って言われて。すごい衝撃で。私は方言って言うのは日本人が日本語を使うように自然に与那国にいれば与那国の方言っていうのは分かる、聞けると思っていたんですけど、だんだん与那国語ってなくなっていくなというのが自分の中でも大変なんじゃないっていうのがあって、なにかできないかなっていうのがあって」

まわりの知恵も借りながら子どもたちの心に残る言葉を考えていきました。

Qプラスリポート 消滅危機言語

與那覇悦子先生「幼稚園生の時に聞いても使ってなかったらどんどん忘れてはいくと思うんですけど、どこか頭の片隅にあって、方言の響きで島を思い起こしてくれたらいいかなっていうのがありますね」

島の人たちと一緒に作った島の言葉を伝える作品の数々。さまざまな人の興味を引いていました。

国立国語研究所准教授山田真寛博士「みんなもっと面白がってほしいですね。楽しいとか、これがいいとかうれしいとか」

地域の伝統や知恵が凝縮された言葉。それを楽しむ気持ちが、たくさんの人々を引き寄せていきます。

国立国語研究所准教授山田真寛博士「ちまぬくとぅばあたらきんだんぎ(ことばを大切にしよう)」