※ 著作権や肖像権などの都合により、全体または一部を配信できない場合があります。

県内企業の挑戦を応援するQビズです。最近、県内の街の電器屋さんにある革命的な変化が起きています。かつては、販売価格で量販店に負けていましたが、いま、ある仕組みで量販店に負けない価格で売り上げを伸ばしているというのですが、いったいどういうことなんでしょうか。

Qビズ 家電量販店との新たな関係 街の電器屋さんに「革命」

玉城さん「量販の力というのはすごかったもんですから」

今月20日、那覇市内で開かれたある異業種交流会。集まったのは、およそ60人。参加者の業種は電器店、電気工事店のほか、工務店やガスの販売店。実は今、これらの店は、ある仕組みを取り入れ、電気製品の流通に革命を起こしているのです。

Qビズ 家電量販店との新たな関係 街の電器屋さんに「革命」

那覇市真地にある、なぎさ電器。社長の玉城さんは、この店を24歳の時に父親から引継ぎ、今年で42年になります。

なぎさ電器・玉城豊さん「お店から半径2キロから3キロくらい。そうですね、もう1000軒以上あるんじゃないですかね」

長年、地域の人に愛されてきた街の電器屋さんです。しかし、せまい店内には、最新型の4Kテレビが1台置かれているほかは、在庫が数点置かれているだけ。商売としては、ちょっと元気がないように見えますが…

玉城さん「面白い商売になってますね」

店の売り上げは、今絶好調だというのです。

馴染みのお客さんからの電話です。注文を受けた玉城さん、早速車で店を出ます。

Qビズ 家電量販店との新たな関係 街の電器屋さんに「革命」

しかし、玉城さんがまず向かった先は、お客さんの家ではありません。なんと那覇市にあるヤマダ電機。店舗内のレジで何やら手続きをした玉城さん。

玉城さん「このカード1枚があれば、ヤマダ電機の商品、全て引き取りできます」

カードには「コスモスベリーズ」とあります。

Qビズ 家電量販店との新たな関係 街の電器屋さんに「革命」

なぎさ電器が加入するコスモスベリーズとは、入会金10万円と毎月の会費1万円を払うと、会員はヤマダ電機がメーカーから仕入れる価格と同じ価格で商品を仕入れることができるというシステム。

加盟店は、大手量販店とほぼ同じ価格で商品を販売できるのです。

玉城さん「量販店の店頭は私の展示場」

商品を受け取った玉城さんはすぐに常連のお客さんの自宅に向かいます。大きな洗濯機を2階まで運び。設置まで行います。

常連のお客さん「もう私が嫁に来た当時からですから、何十年でしょうかね、もう計算できません。いつもすぐ電話して、飛んできますね。とても安心です」

玉城さん「全然負けませんね、今のコスモスベリーズにいる間は」

Qビズ 家電量販店との新たな関係 街の電器屋さんに「革命」

コスモスベリーズを立ち上げたのは三浦一光会長。かつて松下電器産業で営業本部の副本部長を務めていました。

三浦会長「僕らがつくってきたナショナルの系列店が衰えて、なくなっていくわけですよ。それをなんとかしてあげようというのが原点にはありました」

現在コスモスベリーズの加盟店は全国でおよそ3800店。沖縄では61店舗に広がっています。

Qビズ 家電量販店との新たな関係 街の電器屋さんに「革命」

これからは取材に当たった実近記者に聞きます。実近さん、まさに画期的なシステムですね。

実近記者「かつて敵対していた量販店と街の電器屋さんがここに来てタッグを組むようになった、ということなんですね。実はキーワードは『高齢化』です」

高齢化ですか。こちらは家電量販店の特徴ですね。確かに、広い店内に商品いっぱいあって、皆さん、車で買い物に行かれますよね。

実近記者「しかし、お年寄りの皆さんはあまりにも多くの商品があると逆に選ぶのが大変なんです。また、高齢になって、車を運転したり、商品を運んだりというは、小さいものでもけっこう大変だったりするわけです。そこで、コスモスベリーズの仕組みを使って街の電器屋さんが入ってくるとどうなるかというと、商品などは、その人にあった商品を選んであげる。これは、長年付き合いのある信頼関係のある電器屋さんの強みです。そして、VTRにあったように、商品についてもすぐに届けてあげる。量販店と街の電器屋さんがお互いの強みと弱みを保管しあう、そんな仕組みができているということなんです」

Qビズ 家電量販店との新たな関係 街の電器屋さんに「革命」