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沖縄自動車道では、1日平均で10万台ほどが通行。昨年度は3886万台が利用しました。実は先週金曜日の10月19日、この沖縄自動車道である快挙が達成されました。

Qプラスリポート 高速道路5年間死亡事故ゼロの裏側

『先行車両、左に停止してください。○○○○(ナンバー)、左側に停止してください』

『免許証を確認させてください。○○○○さんでよろしいですか?メーター見てもらっていいですか?109キロ。沖縄の高速道路は80キロ制限ですので、29キロオーバーです』

交通機動隊・宮城理副隊長「速度違反取締りを強化しております。5年間、交通死亡事故の発生がありません。交通死亡事故抑止活動に取り組むものとしては、1日でも長く続いてほしいと思っております」

Qプラスリポート 高速道路5年間死亡事故ゼロの裏側

沖縄自動車道で強化されている速度違反の取締り。実はこうした取り組みが実を結び、ある快挙が達成されました。

「交通死亡事故5年間ゼロ」

しかし、道のりは平坦ではありませんでした。

2013年7月、高速道路の路側帯で作業をしていた男性がトラックにはねられ死亡。原因はトラック運転手の「前方不注視」でした。同じ年の10月には、名護市許田インター付近でタクシーがガードレールに衝突し、横転。乗っていた4人のうち2人が死亡したのです。料金所付近に近づいているにもかかわらず、減速が足りなかったことが事故に繋がりました。

宮城理副隊長「高速道路は高速度の状態ですので、全損を伴うような大きな事故も発生しています」

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「悲惨な事故を繰り返さない」警察はパトロールを強化しています。先月末までの摘発件数は1709件。速度違反は去年より75件増えていました。

『速度違反なんですけど、高速道路でしょ。速度速いので、人身事故とか大きな事故に繋がりますので、気をつけて安全運転をしてください』

反則金1万8000円と違反点数3点が科されました。

制限速度を超えて走行する車を発見。赤色灯を回します。しかし、覆面パトカーだと気づき減速したとみられ、摘発には至りませんでした。

『運転手さん、速度80キロです。80キロ守ってください』

宮城理副隊長「無意識に下りで速度が出ている場合がありますので、それを発見した場合は検挙に至らなくても注意をする。それを見ることによって、他の通過車両も注意をしていただくということで、相乗効果もございます」

高速道路の安全を阻害するのは、不適切な運転だけではありません。近年増加している意外なモノが…

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石橋記者「高速道路で回収された落下物の集積場です。こちらには車から落ちたプラスチックの部品や木材、破れたタイヤや金属くずとして一斗缶や物干し竿があります」

車やトラックからの落下物。交通量の増加に伴い、その数が増えています。昨年度は上半期だけで1830件にのぼりました。1日平均で10件ほど発生していることになります。

建築業の男性「ビニール袋とかよく見ますね、飛んでいるのを。(落下物があると)ドキッとしますね」

建築資材を運ぶ業者の男性「夜、落ちていると、それなりにスピードが出ているので、はっとなる場合があると思います」

交通管理隊・前里勝浩隊長「落下物による乗り上げ事故、それを避けようとして後続車との事故ですね、そういうのが危険です」

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小さなモノが大きな事故に繋がりかねないとして、沖縄自動車道を管理するNEXCO西日本では交通管理隊を設置。24時間体制で落下物回収を行っています。

Qプラスリポート 高速道路5年間死亡事故ゼロの裏側

落ちていたのはビニール袋とゴムチューブの破片。車のタイヤが巻き込み、事故に繋がりかねません。単なる空き缶でもスピードを出した車が踏みつけるとタイヤがパンクしてしまう恐れがあります。

高速隊と交通管理隊。交通死亡事故5年間ゼロの裏側には、安全を願い、目を光らせる人たちの姿がありました。

Qプラスリポート 高速道路5年間死亡事故ゼロの裏側

取材にあたった金城記者です。沖縄自動車道での交通死亡事故5年間ゼロということですが、全国ではどれほどの死亡事故が発生しているんですか?

金城記者「2013年、県内では死亡事故が2件発生しているため、2014年から2017年までの4年間で比較しました。最も多いのが東京都で42件発生、46人が亡くなられています。次に神奈川県で38件43人。愛知県で34件37人と続いています。沖縄以外で、この5年間、死亡事故ゼロを達成した都道府県はありません」

県内での事故ゼロが特別なことだとわかりますね。

金城記者「VTRで紹介した取り組みのように、速度違反の取締りや落下物回収を強化したこと、それに加え、通行量が増えたため速度が落ちたことも要因の1つだと考えられています」

落下物による事故も多いのですか?

金城記者「今年度の交通事故発生件数は先月末までで604件で、このうち78件で落下物が絡んでいました」

他の車を巻き込むなどすると危険ですよね。

金城記者「これまで人身事故に繋がったものはありませんが、スピードが出ているので、大事故につながりかねません。警察は、5年間ゼロは喜ばしいことですが、パトロールや落下物回収を強化していることが絶対的な要因ではなく、偶然も重なっていての達成で、手放しに喜べる状況ではないとも話していました。速度を守り、適切な車間距離を保持するなど、改めて自身の運転について見直すきっかけになってくれればと思います」

死亡故ゼロ5年間に留まらず、10年も20年も続いてほしいです。