県が7月に発表した調査では、県内の学校の4割以上に安全性に疑いのあるブロック塀があることがわかりました。各市町村で対策を始めているところもあるようですが、あれから3カ月、果たして”危険ブロック塀”はどうなっているのでしょうか。
比嘉記者「こちら、那覇市内の小学校ですが、プール沿いのブロック塀には『キケン』と書かれています」
今年6月、大阪北部で発生した地震で、小学校のプールの壁が倒壊し児童が死亡した事故。倒れたのは、建築基準法に違反して積み上げられたブロック塀でした。
これを受け、県では7月6日までに公立の幼稚園から高校、特別支援学校などあわせて717校のブロック塀について高さや劣化状況を調査。その結果、高さが2.2メートルを超えるものや補強がないなど、建築基準法に適合しないと考えられるブロック塀は全体の42.5%、学校数にして300校にのぼることがわかったのです。
各市町村や県の対応が迫られる中、那覇市が動き出しました。市では先月の市議会で危険な壁を撤去し、フェンスなどを設置するための費用としておよそ5750万円の補正予算を計上。市内59校で確認された安全性に問題がある塀について、張り紙などで注意を促し、今年度は特に危険性の高い道路沿いのブロック塀から撤去をすすめていく方針です。
一方、専門家は今回多くの危険ブロック塀の存在が発覚したことについてこう指摘します。
沖縄県建築設計サポートセンター・西里幸二理事長「割と手軽に塀が作れたということと基準法に対する認識が少し薄かったと思う。高さにしろ補強にしろ。そういう意味での手軽さがあったと思う」
また、沖縄特融の環境について…
沖縄県建築設計サポートセンター・西里幸二理事長「沖縄県は塩害が非常にひどいところで、冬も海のそばも塩害があるし、塩害の影響が大きいのが沖縄の建物ですから。あとは太陽や紫外線が強いことも作用しますが、塩害が沖縄では劣化の原因になると思います」
安価で手軽な半面、安全性を見落としがちなブロック塀。県や他の市町村でも撤去をすすめるための詳しい調査や予算の確保に乗り出したところです。