Qプラスリポートです。5月から始まった、音楽家たちと不登校の子どもたちが取り組む音楽プロジェクト。
今回は南城市で合宿を行いました。そこで見えた変化とは。
様々な理由で学校に行けなくなった子どもたちの居場所Kukulu。この日は、いつもの場所を飛び出して音楽家団体、楽友協会おきなわのメンバーと合宿に臨みました。
ワークショップは、今回の合宿で6回目。普段はカメラの前であまり話さない子どもたちも、合宿だからでしょうか。おしゃべりに花が咲きます。
楽友協会おきなわ鶴見さん「ずしゃ~ずしゃ~みたいな」
南城市のビーチで行われたのは海の音探し。
楽友協会おきなわ鶴見さん「どうぞ!(砂を傘にかける)すごい楽器だね」
みんなが楽しそうに過ごすなか、ひとり、離れて座る女の子がいました。
女の子「(Q大勢が苦手?)うん」
そんな彼女も、楽器体験が始まると・・
夢中になって練習しています。1曲弾けるようになると見せにきてくれました。
初めて音楽ワークショップに参加した男の子がいます。飛翼さんは小学校のころから学校にいけなくなりました。
新城飛翼さん「最初はいじめを受けていまして。小学校1年生のころから4年生のころまで」
飛翼さんの心に刻まれた傷はとても深いものでした。
新城飛翼さん「お前は頭悪いんだみたいな感じで。だから仲間外れにされる。中学校に入るときになんかフラッシュバックっていう現象がありますよね。自分がいじめを受けていた記憶が頭のなかをよぎっていく。もうなんか聞こえない声とか、幻聴みたいなものが耳に残っていて、それが怖くなって学校にいくのをやめたんです」
まわりの大人たちも何とかしようとしていましたが・・・
新城飛翼さん「無理やり学校に連れて行こうとする人も大量にいました。味方がいないっていうのが一番自分にとっては何よりもつらかったです」
Kukuluに行くのを決めたときも飛翼さんには抵抗があったといいます。
新城飛翼さん「結局不登校を支援しますよって行ったとしても、学校に行かせるための仕組みになってるからそういう所は信じない」
しかし、Kukuluに通い始めて4年。心に変化がではじめました。いまではスーパーでアルバイトをするまでに元気を取り戻しました。
新城飛翼さん「自分はこういう感じで喋れなかった29人前で喋ることが苦手だったんで、それで4年間たって今喋れるようになった。だからその人が喋れて楽しいとか、社会に溶け込めるような54手助けをしてあげたい」
子どもたちにとって様々な収穫があった合宿。彼らと一緒に過ごした音楽家たちも手ごたえを感じたようです。
大城さん「こっそりそれぞれで楽しんでいる感があって、自分たちでつくっていくっていう所の面白さとか。作るからにはすこし上のものを目指してとかいい物をつくりたいみたいなのがちょっとづつ芽生えてきているのが見えたんですね。そこがうれしかった」
来年2月にはコンサートが予定されています。ずっと孤独感を抱えてきた子どもたちがここで出会った仲間と、どんな音色を響かせるのか期待が膨らみます。