県知事選は告示まであと1週間です。きのうは、知事選の事実上の一騎打ちと見られている元宜野湾市長の佐喜眞淳さんと衆議院議員の玉城デニーさんが初の公開討論に臨みました。知事選の争点である辺野古については立場の違いが明らかになりました。
討論会前に、壇上で握手した佐喜眞淳さんと玉城デニーさん。はじめは緊張感からか、相手の様子見のような雰囲気で始まりました。
今回の知事選、それぞれの基本姿勢と争点については。
佐喜眞淳さん「今の県政というか、流れを変えなきゃいけないと常々、思っていたんですね」「新たな振興計画をつくる、そういうような10年のスパンの計画を、政府とどのような形でつくっていくかということは大きなテーマだと思います」「普天間飛行場をもう返還しましょうというようなことを、この度の知事選挙においては私の争点というか、私の思いというものをしっかり伝えていきたい」
玉城デニーさん「翁長雄志知事の政策を今、検証しながら、さらにそれに翁長雄志知事が2期目に出そうと思っていたであろう政策も含めて、玉城デニーはこういうことをやりたいということを重ねて、政策を作りたい」「今回の知事選挙、いろんな争点がある中で、最大の争点は翁長雄志知事が行政として発出した辺野古の埋め立て承認撤回、この是非です。ですからこの是非は避けて、今回の知事選挙は通れないと思います」
意見が白熱したのは、お互いが質問をぶつけ合うクロストーク。語気も強くなりました。
佐喜眞淳さん「民主党時代の時に、最低でも県外という約束をされたんですよね。玉城さんはその当時、民主党でございました。県民にはなぜ辺野古に回帰したという説明がなされていない状況なんです」
玉城デニーさん「鳩山総理が、総理大臣が(県外移設を主張した)こうだと言ったことについて、防衛省、外務省はそういう方向性ではなかった」「つまり、そういうふうにいろいろな障害が、壁が立ちはだかったということです」
逆に玉城さんから佐喜眞さんへの質問では、去年2月の衆議院予算委員会の地方公聴会で、佐喜眞さんが述べた辺野古問題に切り込みました。
玉城デニーさん「公聴会で辺野古が唯一であり、(普天間の)継続使用を避ける唯一の手段である、それを否定することはできない。つまり辺野古移設推進なんではないかということが、この(公聴会の)議事録の中に残っているわけです。この賛否は、この選挙ではっきりさせないといけない」
佐喜眞淳さん「国会議員の先生方が、あるいは政府が、それしかないと言ったら、いやダメだというようなことが果たして固定化、あなたは固定化を目指しているんですかと言われかねない。本来であればデニーさんのような方々が、しっかり県外なら県外で政府に言って、政府が県外に移せるように努力すればいい。我々は努力の限界があるんです」
きのう行われた2時間の討論会では、結局、争点である辺野古問題について、玉城さんが反対を強調したのに対し、佐喜眞さんは賛否を避け続け、かみ合わない議論に聴衆も不完全燃焼の様子でした。
佐喜眞さんと玉城さんの初めての討論会は、意見のすれ違いだったようで、詰めかけた聴衆も肩透かしを食ったような形でした。11日には沖縄県政記者クラブ主催の討論会が予定されています。より踏み込んだ双方の政策や考え方が示されることを期待したいです。