《9648件》こちら、何をあらわした数字かわかりますか?実は、2016年度に沖縄を訪れた外国人観光客が利用したレンタカーによる事故の件数なんです。単純計算で1日に30件近く起きていることになります。外国人レンタカーの事故を防ぐために何ができるのか取材しました。
県民「観光地でもよく見ますけど、普通に運転していても(外国人のレンタカー)を見るかなと思います。ゆっくり走っている車は見るので、迷われているんだろうなとか思ったりすることはありますけど」「国際通りでよく見たりするんですけど、結構(運転が)荒いなっていうのを感じましたね。急に曲がったりとか…そういうのはびっくりします」「一方通行の所を逆走されていたりとか。2車線の道路を走っていて左側の車線を走っている(外国人の)レンタカーの方が突然曲がってきて、ぶつかりそうになったことがある」
近年、沖縄観光で増える「レンタカー」、外国人が運転していることを示すステッカーをつけた「レンタカー」が街の中を走る様子も今ではあたりまえの光景です。一方で困った出来事も増えていました。
OTSレンタカー・中村靖副社長「貸し出し件数が年々増えていますので、それに比例して事故等のトラブルも増えているように思います」
県レンタカー協会のまとめでは、外国人のレンタカー事故は2014年度は年間3000件ほど程度だったのが、2年後には9500件を超え3倍以上になっています。そこで、外国人のレンタカー事故を防ぎ安全を守ろうという実験が行われています。舞台は「本部半島」。
外国人レンタカーによる急ブレーキが頻発する交差点が本部半島に集中していることが国の調査でわかりました。そこで、外国人にわかりやすい看板を2つの交差点に立ててその効果を調べています。
1カ所目は「古宇利大橋近くの屋我地島の交差点」です。
沖縄総合事務局・道路建設課大城照彦課長「交差点の直前で、急挙動の7割が古宇利島からの侵入車両が多いわけなんですが、その9割が右側通行の台湾・韓国からの観光客による急挙動の現象だということが判明しています」
実際にレンタカーを利用した外国人観光客はドライブで戸惑ったりすることがあるのでしょうか?
韓国からの利用客「(標識の)文字が読めないので、難しかった。絵で描かれている標識は見たら大丈夫だった」
台湾からの利用客「運転席の方向と走行の方向も台湾と全然違いますので慣れるまで時間が必要だった。標識の位置も台湾と逆で慣れるまで時間が必要だった」
台湾や韓国では右側に標識があるため、日本での左側の看板を見落としていることが急ブレーキの原因ではないかと考えられています。そのため、英語の看板を進行方向の右側に設置して案内しています。
2カ所目は「具志堅(西)交差点」です。この交差点は、古宇利島から美ら海水族館に向かう時に通ることになります。急ブレーキの原因は交差点とその手前にある標識が統一されておらず、外国人に不親切な案内になっていました。
沖縄総合事務局・道路建設課大城照彦課長「『英語表記』と『美ら海水族館』という案内を、ジンベエザメの絵を入れましてわかりやすく300メートル手前と直前とで案内しているところでございます」
国は来年3月末までに看板を設置した効果があったのか集まったデータを検証することにしています。
県内で最も多くのレンタカーを持っている「OTSレンタカー」では外国人利用客の事故を減らす独自の活動を進めています。
「(中国語)前方に停止線があります」
車に外国語でどんな道路標識なのかを教えてくれるカーナビを搭載したり、貸し出す前に交通ルールを教える講習を行うなどサービスを充実させて、事故への注意を呼びかけています。
OTSレンタカー・中村靖副社長「不慣れな方が多いと、どうしても事故につながるという傾向がありますので、貸し出しの際には十分気をつけて利用していただくようにご案内しているところでございます」
沖縄を旅行する時に欠かせない「レンタカー」。言葉や文化、習慣が違っても、快適かつ満足なドライブのためにできることはまだまだありそうです。