続いてはQプラスリポートです。那覇市の寄宮にある県立図書館。建物の老朽化により12月に移転することになっています。現在休館中の図書館の裏側では一体何が行われているのか取材しました。
昭和58年の開館以来、34年間親しまれてきた県立図書館。移転準備のため、先月から完全休館となっています。
館内に入ってみると、所狭しと積み上げられた段ボールの山が。およそ80万冊もの蔵書の引っ越しに向け、本の仕分けや、150以上ある棚の解体作業など着々と準備が進んでいます。
バックヤードの書庫ではなにやら不思議な作業が行われていました。
県立図書館奉仕班仲尾涼子さん「(Qこの作業は?)蔵書点検、略して蔵点です!企業でいう棚卸しみたいな感じですかね」
本に付いているICタグを専用の機器で読み取り、そこに確実に本があるのかどうか、データと照らし合わせていく地道な作業です。
県立図書館奉仕班仲尾涼子さん「(Q本がない場合も?)あります。その場合はこれの読み込みミスなのか、本当にないのか現場まで行って探してあったら、ピッて、ありましたよって。砂の中からダンゴムシの幼虫が出てきた時ぐらいうれしいです。ちょっと違いました?あはは」
館内にあるすべての蔵書を一度に点検するのは県立図書館に5年務める仲尾さんにとっても骨の折れる作業。チーム体制で2週間をかけ、やっと蔵点が終了しました。
女性職員「書架の番号が入っているんですけどこの番号をこれに書き写す作業を書架のほうに貼る作業をしようと思っていますので」
この日は、本の搬出、搬入の工程や配置場所などを専門の業者と話し合う、初めての会議が行われていました。
新しい県立図書館は、旭橋にできる大型商業施設に移転予定で、広さは現在の2倍。小さい子どもたちがのびのびと読書を楽しめるエリアや郷土資料を中心としたコーナーなども設けられ本の冊数も増えます。
女性職員「新しい棚はちょっと小さい感じがするんですよ。測ってみると571冊とか2冊とか入らないのが毎回出てくるのかな」
業者「そしたら全体的に全部動かさないといけないですよね」
女性社員「可能性はありますね」
じっくり時間をかけ、入念な現場確認が続きました。
リニューアルの最大のポイントはビジネスの分野を充実させたこと。モノレールやバスターミナルに隣接していることから、多くの通勤客の利用が見込まれています。
様々な分野で働く人たちに満足してもらいたいとこの日訪れたのは、中小企業の経営相談などを行う団体。働く人たちにはどんな図書館が求められているのか話し合いました。
沖縄県立図書館主事垣花司さん「今検討されているのは8時まで延ばせるんじゃないかと。平日に何か相談があるとしても夕方6時くらいに仕事終わって、8時までの間に相談会、仕事終わったあとにしてもらうっていうのも使えるのではないか」
また企業などど図書館が連携することで利用の幅が広がり、色々なチャンスが生まれます。
県中小企業診断士協会大城朝淳事務局長「沖縄県は創業される方も多くて、また廃業される方も多かったんですね。効果的に診断士がかかることによって、継続された事業者さんがあるんだよということもアピールできたらと思っております。」
他にも、畜産や工芸、IT関連など、様々な分野の団体を訪ね、ビジネスエリアの充実に向け奔走しています。
沖縄県立図書館主事垣花司さん「今まで交わったことのないところと交わることで新しい色がでてくると思う。開拓、開拓!進まないと開拓できませんので」
また、「図書館だから静かにしなければならない」という概念を覆し、ビジネスエリアには交流会やワークショップが開催できるスペースが設置されます。
県立図書館奉仕班仲尾涼子さん「沖縄ならではの面白い発想もあるし、新しい商品もあるしそういうのをこうまんちゃーして何かが生まれないかなって感じなんですね。いろいろ課題はあると思うんですけど、それを図書館が解決する手助けになればなと思います」
新・県立図書館のオープンは12月。生まれ変わった姿に、期待と夢が膨らみます。