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10年前に米兵が起こしたタクシー強盗で、国は19日、事件の補償が進まなかった理由を説明し、初めて謝罪しました。
沖縄市の弁護士事務所を訪ねたのは、沖縄防衛局の職員3人。彼らの目的は、10年前の事件の被害者への謝罪でした。
日高洋一郎弁護士は「3人とも立ち上がってお辞儀をして、長く解決まで時間がかかって申し訳ありませんというふうに謝罪から入っていました」と話していました。
事件は2008年、タクシー運転手の男性が、公務外の米兵2人に襲われ、大けがをしたものです。
被害者の男性は、日米地位協定に基づいて、事件の賠償を求めていましたが、男性が亡くなった今も支払いがなく、被害者の家族が加害者2人を相手に裁判を起こしていました。
5日の裁判では、米兵2人に対し、1700万円あまりの支払を命じる判決が出されていますが、日米地位協定に基づき、その一部は日本政府が支払うことになります。
防衛局側は19日、10年間補償が進まなかったことについて謝罪したうえで、日米の協議が進まなかったことが原因だと説明したということです。
宇良宗之さんは「反省しているんだなという部分もある、一方で補償問題ではまだ断言できないという部分もある、だから五分五分というのが正直なところ」だと話していました。
米兵2人に賠償を命じる判決は、20日づけで確定しました。日米地位協定では、米軍絡みの事件では、賠償金を請求できることになっていますが、実際は経済力がなかったり、金額が少なかったりと、被害者を守るものにはなっていません。
一方で、日本政府が一部肩代わりすることになっていますが、それにも長い時間と交渉が必要になります。
この事件は米軍がらみの事件の闇や地位協定の問題点を象徴しています。