3822人。これは県内で不登校になっている子どもたちの数なんです。そんな子どもたちのために何かできないかと立ち上がった人たちがいました。
プロの音楽家団体、楽友協会おきなわ。クラッシック音楽の魅力を伝えるため、県内各地で趣向を凝らした演奏会を開いています。この日、音楽家たちが訪れたのは、kukulu。不登校になった子どもたちのための居場所です。
楽友協会おきなわ理事・大城伸悟さん「児童館、子ども食堂も併設しているところで(演奏会を)やってきたんですけど。音楽が持っている力が心にどれくらいの影響を及ぼすのか、必要だと感じたので、楽友協会でなにかできないか」
音楽で子どもたちを元気づけたいと、月に1回、ワークショップを開きます。来年2月に演奏会を開くことが目標です。
この日は、みんなの大切な場所、Kukuluのテーマソングを作ろうと取り組んでいました。
鶴見幸代さん「7文字と5文字で、キーワードでいいですよ」「kukuluのごはん、美味しいな♪とか」
それぞれが思いついた言葉を、ランダムに並べ変えていくと…
鶴見さん「毎日ゲーム、ない仲間、あはは」「年齢の壁、ククル来る。ここまででAメロですね」「マンガが多い、ミュージック~♪無理やり終わったね」「なんかkukuluがこんなところというのが伝わってくる」「これからこれをみんなで歌ったり、楽器でバンドで演奏したりとか、ここにトロンボーン入ってもらうとか、壮大に作っていきたいと思うんで」
きょうのところはここまで。思いっきり音楽を楽しみました。
参加者「みんなでわいわいとやって面白かったですし、歌詞の7文字5文字の時に、バラバラな感じがむしろkukuruらしいなと思いました」
参加者「想像していたのよりもずっと面白くて、たくさん笑えたから楽しかったです」
参加者「絶対に人生歩んでて会わないような人と話すことがあったので、勉強になったなぁと思います」「無からなにかを生み出しているわけじゃないですか、道具使って。すごく憧れます」
一見華やかな音楽の世界ですが、演奏家たちも過去に心の葛藤を経験していました。
大城さん「特に僕が小学校の頃とかって、男がピアノ弾くってすごくマイノリティだった。それで嫌な思いをしたこともあるんですけれども、そういう意味ではちょっと似ているところがあるのかな」
楽友協会おきなわ理事・平良明子さん「県立芸術大学に入りまして、音楽やっている同じ志の人ばっかりのいる環境に入ったときに、とっても楽だったんですね」「kukuluの子どもたちが今ここに来ていて、彼らが普通でいられることとか、のびのびできるっていうのは、同じ背景で同じ人が集まっているからなのかな」
大城さん「どういう風に生きてきたのかなって振り返ったときに、好きなものがあるっていうことが強さというか。それだけだったと思うんですね。だからそういうものを彼らが見つけられれば、夢であるとか憧れであるとか、そういうのがあれば、先々なにかあったとしても、それが自信になって生きていける力になるのかなと思いました」
子どもたちと音楽家たちのプロジェクト。これからどんなメロディーが奏でられるのでしょうか。