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県内の企業の様々な挑戦をお伝えするQビズです。きょうは、県産のシルクを使った商品をヨーロッパで販売している企業をご紹介します。

Qビズ 欧州で人気!県産シルク

今帰仁村のこちらの施設で育てられているのは蚕の一種である、エリ蚕(エリサン)。

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きょうご紹介するのは、国内で初めて、このエリ蚕が生み出す糸を使ったシルクブランド、ヴィランジェです。今、この沖縄産シルクがヨーロッパで注目されています。

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今帰仁村にある畑。植えられているのは、キャッサバ、タピオカの木です。エリ蚕は一般的な蚕とは種類が異なり、このキャッサバを餌とします。

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沖縄UKAMI養蚕・仲宗根豊一社長「これしか食さないという種類の蚕なんです。桑を食す蚕ではなく、種も違えば餌も違う。繭の構造も違うというのが、沖縄産エリ蚕という蚕の特徴」

熱帯や亜熱帯地域でしか育たないため、エリ蚕を使った本格的な養蚕が行われているのは日本でここだけです。

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沖縄UKAMI養蚕・仲宗根豊一社長「蚕がふ化してから20日くらいたつと、このように大きく9cmくらいになります。これから5日くらいたつと繭を作っているこの状況になります」

繭を作るエリ蚕。これが沖縄産エリシルクの原料となります。口から出された糸は数日で卵形の繭玉となり、シルクへと加工されます。

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現在、この施設では年間およそ1トンのシルクを生産しています。

このシルクを使った商品開発をてがける仲宗根さんは大手紡績会社を退職し、12年前に創業。試行錯誤を経て、2年前にシルクブランド、ヴィランジェを立ち上げました。

仲宗根さんは一般的な蚕とは違う、沖縄でしか生産できないエリ蚕特有の強みを生かした商品開発を行っています。

エリシルクの高い保湿性を生かしたボディパウダーやその多孔質な特長を生かした、ボディスポンジなどが主力商品です。これらの商品は優れた日本ブランドの1つとして選定され、4月からフランス、パリのメゾン・ワで常設で展示、販売されています。

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沖縄UKAMI養蚕・仲宗根豊一社長「海外にも目を向けた商品開発を行い、1つでも商品を海外の方に手にとって見てもらい、(沖縄へ)来てもらう、そういったきっかけにもなれば」

仲宗根さんは来年3月の稼動目指して、新たに本部町に工場を建設する予定で、今後、生産体制をこれまでの約5倍に拡大させることにしています。

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取材に当たった実近記者です。エリ蚕というのは、国内では沖縄だけで飼育されているんですね。

実近記者「こうした養蚕業というのは行われていること自体、あまり知られていないですよね」

シルクからいろんな製品が生まれているんですね。

実近記者「シルクというと、衣類や繊維ばかり想像しますが、いろんな製品を作っています。実は、仲宗根社長は蚕について『蚕は最先端工場』と話しているんです」

これはどういうことなんですか?

実近記者「実はこの会社は研究機関などと一緒に蚕を使った、様々な試みを行っていて、たとえば、エリ蚕を使ってインフルエンザのワクチンの生成に成功しています。非常にたんぱく質が豊富なエリ蚕の体内で、安価にワクチンが生成できるということなんです。そのほかには、蚕から生まれるシルクで人工血管を作るという、技術開発も行われているんです。そのほかにも蚕には様々な可能性があると言われていて『最先端工場』といわれているんです」

すごい可能性を秘めているんですね。沖縄の新たな産業に発展する可能性もあります。今後の展開が楽しみです。