帰ってきたエース
「一度は野球を離れたエース」と「それを支えたチームメイト」、それぞれの思いがありました。
過去に二度、甲子園に出場し、県勢として返還後初の勝利を挙げた県立石川高校。
チームは、去年・おととしと2年連続で初戦敗退、夏の勝利からは遠ざかっています。しかし、去年8月の新人大会では29年ぶりに優勝!秋もベスト4の結果を残すなど、夏への期待が高まります。
石川天願恒監督「この子たちの代になったら、それなりに力は出せるだろうなとは思っていました。予想以上に伸びてくれて、びっくりしています。このまま勢いに乗って県大会も勝てるのではないかと思っています」
前監督のときから力を入れてきた打撃面では「長打力」や「多彩な攻撃スタイル」を。「俊足を生かした守備」にも磨きをかけてきました。
そして、投手力を担う1人が伊波和輝。ストレートに加え、5種類の変化球を投げ分けるチームの柱です。練習中にも意識しているのが「体づくり」
伊波和輝選手「ご飯をいっぱい食べたり、とにかく体重を増やす。食べたらスピードが速くなるってずっと思っていて、それで嫌でも食べ続けました」
そのかいあって、この1年で体重は10キロ増。130キロだった球速は140キロに迫る勢いに。努力の裏には、チームへのある思いがありました。
伊波和輝選手「休んでいた分、いろんな人に迷惑をかけたので、結果として恩返し出来たらいいなと思います」
1年生のとき、およそ5か月間休部した伊波。一度はチームを離れ、野球と向き合いました。
伊波和輝選手「野球が嫌いになって。好きじゃないのにやっても意味がないのかなという思いが強くて、一度辞めました」
突然いなくなった大黒柱に、チームは声をかけ続けました。
福山啓人主将「戻ってくるって信じていた。みんな戻って来いよって、お前がいないと勝てないよって、色々声掛けして、みんな頑張ってきました、戻すために」
野球を離れて知った「周囲の期待」それが伊波を動かしました。
伊波和輝選手「辞めている期間が長かったので、また野球がしたいと思ったので。またみんなとやりたいなと思って戻りました。必要とされてるんだなと思いました」
その後、伊波に負けじと村吉惟吹が成長。好投を続けています。
村吉惟吹選手「自分もチームのために、ピッチングで勝利に貢献たらなと思います」
また、山田大悟と永山流雅がクリーンナップに座り、打線を担います。
山田大悟選手「チームが苦しんでいるときに1本打てるのが自分の強みです」
永山流雅選手「みんなで力を合わせて戦っていきたいと思います」
そして、伊波をブルペンキャッチャーとして支えるのが宮里尚吾。彼の武器は!
チーム一の大きな声!強みを生かし、チームを盛り上げます。
宮里尚吾選手「実力では全然前に届かないので、何か勝てるところはないかなと探したときに声だったので、声でしっかりベンチを上げたり、声でみんなを盛り上げていこうという感じです」
壁を乗り越え、全員が揃ったチーム。夏への挑戦が始まります!
福山啓人主将「最後なので、全部出し切って、沖縄一熱い夏にしたいです」
宮里尚吾選手「悔いのないように、みんな笑って甲子園に行きたいです」
伊波和輝選手「1回戦から全力で集中して、必死に球にくらいついて頑張っていきたいと思います」
『優勝するぞ!』