県立唯一のシード校 コザ
続いては「めざせ甲子園」きょうは夏の第3シード、コザ高校です。私立の強豪が名を連ねるシード校にあって唯一の県立高校は、〝エースのけが〟をきっかけにチーム力を上げています。
4月、夏のシードをかけて行われた春の大会。コザは、沖縄尚学との3位決定戦で、激しい打ち合いを制し、第3シードを獲得。強豪を下したチームには〝ある決意〟がありました。
コザ3年平田洸大選手「リベンジしてやろうという気持ちで一球一球集中した」
コザ3年大城大空主将「沖尚にはリベンジで倒してやるという思いが大きかった」
この夏、県立唯一のシード校として戦うコザ。去年秋は、同じ沖縄尚学に3対1で惜敗し、初戦敗退。この春の〝リベンジ〟を誓い、自分たちを見つめ直しました。
コザ3年護得久廉選手「コントロールを意識しようと決めて走り込みとか下半身のウェイトトレーニングとかを冬にやろうって決めた」
抜群の制球力と、多彩な変化球で相手を翻ろうする護得久廉(ごえく・れん)チームが認める〝エース〟です。
悔しさを胸に、トレーニングを始めた冬、足の骨を覆う膜が炎症を起こす〝シンスプリント〟を発症。およそ3か月、練習に参加できませんでした。
コザ3年護得久廉選手「冬のトレーニングだったので走り込みとかそういう時季だが逆にけがをして考える時間ができた。野球に対する思いは早くボールに触りたいとか投げたいとかそういう気持ちが強くなっていったので、そういった意味で確認できた」
チームは、けがに襲われたエースを励まし続けました。
コザ3年大城大空主将「護得久がいないとコザ高校が成り立たないという雰囲気だったのでどうしようかなという不安がいっぱいだった。早く治せとお前はグラウンドに出なくていいからけがだけを早く治せと」
コザ3年護得久廉選手「それを聞いてやっぱり嬉しかったし早く治そうという意識になった」
エース不在で生まれた〝チーム力〟それは、投手陣を伸ばすきっかけにもなりました。
エースの穴を埋めようと又吉茄月(またよし・かつき)が奮起。最速137キロの投球に磨きをかけました。
コザ3年又吉茄月選手「ピッチャーは廉だけで引っ張ってきた感じだったのでもう1人出てこないといけないなというので自分がそのもう1人になれるように頑張った。自分にとってはここで伸びないと廉は越せないなと思ったので」
打撃では、要の4番・中村壮(なかむら・そう)、平田洸大(ひらた・こうた)などが成長し、春に活躍。夏にも期待がかかります。
コザ嘉陽宗雄監督「私学のチームには負けたくない気持ちがあるので、選手たちもそういう気持ちがあると思うどのチームがきてもコザ高校の野球ができればと思っている」
〝打倒私学〟を掲げる嘉陽宗雄(かよう・むねお)監督は、その戦力を15点と分析。
競技会で県内一に輝いた池原秀啓(いけはら・ひでひろ)も擁していて、俊足を生かした機動力も注目です。
コザ3年池原秀啓選手「夏の大会では自分の足を生かして相手にミスがあれば先の塁を狙って先制点を取る気持ちでいきたい」
仲間を思いやり、力をつけた選手たち。最後の夏に〝頂点〟を目指します。
コザ3年中村壮選手「夏はチーム一丸となって全員野球で戦いたい」
コザ3年護得久廉選手「この仲間を大事にして最後まで戦い抜きたい」
「行くぞコザ高!」