真剣な表情で演じているのは、琉球大学の学生たち。その名も「琉大ミュージカル」!20周年の節目を迎える今年は、往年の大人気作品『Singin’ In The Rain』に取り組んでいます。
実はこの「琉大ミュージカル」、教育学部が開講している授業で、今年は総勢およそ100人が参加しています!授業でミュージカルを行うのは、全国的にもまれな取り組み。
琉大ミュージカルでは、練習だけでなく、予算の作成、練習場所の確保など、舞台に関わるすべてのことを学生主導で行っています。もちろん、数百万円に上る公演費用のスポンサー探しも学生たちが自ら行っています。
学生(電話)「それでは、10時半ごろにお伺いしますので。お願い致します」
学生「行きますか。資料の準備とか大丈夫?」
この日向かったのは、宜野湾市にある食品店
学生「めっちゃ緊張します」「行ってきます」
交渉を始めた3人。表情は堅いようですが、うまく話せているのでしょうか。お店に入って10分後。果たして交渉の成果は。
学生「(契約)取れました」
どうやら無事契約できたようです。琉大ミュージカルでは、希望により3つの役割に分かれます。
1つ目は、オーケストラ。公演中の音楽は、すべてオーケストラが演奏します。
上地音楽監督「人が演奏してるって分、奏者の感情だったり、あとは思いっていうのが音にこもって、お客さんにも伝わりやすくなると思うので、それが(録音した音源ではない)生のオーケストラの魅力なのかなと思います」
2つ目はスタッフです。大道具や小道具、衣装などの製作、また公演中の照明、音響などを担当し、舞台を裏側から支えます。
嘉手苅舞台監督「スタッフは舞台上には出ないんですけど、その代わりに自分たちの作った道具をみんなに見せるというか、自分の分身を作って、お客さんに「私たちの作品です」って言って見せる。みんなに伝えたいという思いで作ってます」
そして、舞台上でパフォーマンスを披露する、ミュージカルの花形、キャストです。
このキャストの中に、人一倍熱い思いを持って参加する学生がいました。4月に行われたオーディションで、準主役の座を射止めた饒平名基至さんです。
饒平名さん「(役が決まったときは)2日ぐらい現実感が無くて、2日後ぐらいに、「自分、この役になったんだなあ」と思って、頑張ろうってなりました」
ミュージカルの花形であるキャストには、歌唱力のほかに、身体全体で表現するダンスの技術力も求められます。
饒平名さん「ダンスでタップダンスというのがあるんですけど、タップダンスが難しくて」
ダンスが大の苦手と話す饒平名さん、しかし数多くいる候補者の中から勝ち取った準主役の座。このチャンスを手放すわけにはいきません。
この日は全体練習の日。開始1時間前ですが、饒平名さんの姿がありました。タップダンスの練習です。実は饒平名さん、苦手克服のため、自主練習にも進んで取り組んでいます。
饒平名さん「今はまだ精一杯っていう形なんですけど、本番は自分も楽しんで、お客さんを笑顔にできるような、そういう舞台を作りたいという思いで、日々やっています。絶対成功させます!」
一人ひとり役割は違いますが、熱い思いを持ち、同じ目標に向かって突き進む学生たち。饒平名さんや彼らの挑戦はまだ始まったばかりですが、一歩ずつ歩み続けています。