中村アナウンサー「さて、県内企業の様々な挑戦をお伝えする「Qビズ」です」
伊波アナウンサー「今回は私が人気老舗店の新たな取り組みに密着取材しました」
伊波アナウンサー「わ~、おしゃれで美味しそうなお料理!どこのお店のお料理だろう?」
ローストビーフに、主催者のロゴをあしらったミニバーガー。デザートまで!皆さんの視線の先にあるのは写真映えしそうなおしゃれな料理!会場の皆さん興味深々です。
男性「こういうものをやっているイメージなかったのでビックリ」
女性「知らなかったです、天ぷらのイメージが強いので」
実はこのケータリング料理を手掛けたのは「上間弁当てんぷら店」
「上間弁当てんぷら店」といえばもちもちとした衣が特徴の沖縄天ぷらが主力商品ですが去年からケータリング事業「cater4u(ケーターフォーユー)」を展開しています。
上間社長「みんな驚くんですけど、会社としては全然違う事をやっているわけではない、実は。」
事業を展開する「上間フードアンドライフ」の若き経営者の上間喜壽さん(ウエマヨシカズ)さん
上間社長「とりあえずやってみて走るということをこの1年間やってみたところ、逆に今期から注文が入りすぎてしまってびっくり。追われてます、走るどころか(笑)」
なんと、この天ぷら店。テーブルコーディネートまでトータルで請け負っています。
今回は、クライアントの会社のコーポレートカラーの「ブルー」を基調とし、季節の花・アジサイを取り入れ、社長自らが演出を手掛けました。
それぞれの顧客のニーズに合わせ、柔軟に、様々な演出を提案することが人気が広がっている理由です。
上間さんが、両親が始めた天ぷら店を継いだのは、大学を卒業後、24歳の時。店は当初から人気でしたが、過剰なサービスで、経営は惨憺たるものでした。
上間社長「当時でだいたいおよそ2億円くらい負債を抱えた状態だった。やばかったですね、やばいという言葉はよくないですけど」
まず着手したのが、会計システムの改革。特に、スタッフ全員で、会社の数字を共有し、経営の見える化を進めました。
上間社長「数字を見せるのは問題意識を共有する。スタッフに隠さない方がいい。自分事にならない」
そして、今、会社の急成長のエンジンとなっているのが「ケータリング事業」です。自社工場の、充実した生産ラインを生かしたアイデアです。
上間社長「工場のおかげで製造のキャパシティがある。つまり何千人分の食事が作れる。そうするとそのキャパシティを提供できる競合は中々いない」
口コミやSNSの写真で広がり、注文は右肩上がり。売上高は今年度は7億円を見込んでいます。
上間さん「実はまだまだ一合目から二合目ぐらいの感覚で僕たちやっているので。関わった人たちにより価値あることを伝えたり与えたり、もらったりしながらきちんと成長していきたい」
中村アナウンサー「取材にあたった伊波さんにお話しを聞きます。負債2億円からのV字回復はすごいですね」
伊波アナウンサー「今回上間さんがお店を再建する中で売り上げの推移をグラフにしてみました」
中村アナウンサー「経営のポイントはどこにあるのでしょうか?」
伊波アナウンサー「まずポイント(1)は会計の「見える化」会計システムを導入してスタッフにも数字を共有します。そうすることで問題意識が芽生え店舗ごとのスタッフがその都度、改善点を探る」
伊波アナウンサー「ポイント (2)は「プロダクトアウトからマーケットインへ」
中村アナウンサー「ちょっと難しいですが、どういう意味でしょうか?」
伊波アナウンサー「「プロダクトアウト」というのは、企業が「作ったものを売る」という発想です。例えばうちは天ぷら屋だから、とにかく天ぷらを作って売るという考え方です」
伊波アナウンサー「一方「マーケットイン」とは逆の考え方で、お客さんが望んでいるものを提供するという発想です。例えば天ぷら屋さんだったとしても、やっぱり、お客さんは、昔からの沖縄の天ぷらだけじゃなくて華やかでヘルシーなものを好んでいる、とかあるいは、食べ物だけじゃなくて、その場をトータルでコーディネートしてほしいとか、そうしたニーズを把握しながら、サービスを提供しているんですね」
中村アナウンサー「なるほど、発想の転換ですね。それこそ、沖縄の昔からの企業でも、いろんな業界で展開できそうですね」