Qプラスリポートです。通勤や観光で利用される「沖縄自動車道」日頃から利用しているという人も多い道です。
ところが、この高速道路で今、危険なものが増えているんです。その危険なものと闘う人たちに密着しました。
高速道路の安全を守るため24時間体制でパトロール。隊員たちが道路の隅々に目を光らせています。
2人が同時に身を乗り出しました。何かを見つけたようです。車から降りて現場に向かいます。
異常を見つけたらすぐに対応!猛スピードで走る車をかいくぐぐりながら快適な高速道路を守るために奮闘する交通管理隊をカメラが追跡!
那覇と中北部を結ぶ全長およそ60キロの「沖縄自動車道」、交通や物流の「大動脈」として生活を支えています。
建築資材を運ぶ業者の男性「毎日使っていますね。月曜日から金曜日まで」
仕事を終えた帰りの男性会社員「仕事で、名護から来ているんですけど、その帰りですね。週1くらいですかね、平均で」
沖縄自動車道の通行量は、近年、増加傾向にあります。2017年度の利用台数は3886万台で1日に10万台以上の車が高速道路を使っています。
山口から新婚旅行で来た夫婦「4泊5日で美ら海水族館とか、国際通りの方に行ったり平和祈念公園に行ったりしようと思ってます」
レンタカーを使って中北部へ移動する観光客の増加が通行量の増加を押し上げています。そんな沖縄自動車道で〝あるもの〟が増えているんです。その〝あるもの〟とは…
石橋記者「高速道路で回収された落下物の集積場です。こちらには、車から落ちたプラスチックの部品や木材、破れたタイヤや金属くずとして一斗缶や物干し竿があります」
増えていたのは、車やトラックからの「落下物」です。
建築業の男性「ビニール袋とかよく見ますね、飛んでいるのを。朝は急いでいるので、現場に向かうのに、(落下物があると)ドキッとしますね」
建築資材を運ぶ業者の男性「夜、落ちていると、やっぱり、それなりにスピードが出ているので、はっとなる場合があるかと思いますね」
去年4月から9月の上半期で、落下物を回収した件数は1830件にのぼり1日に10件ほど発生していることになります。
交通管理隊・前里勝浩隊長「落下物による乗り上げ事故、それを避けようとして後続車との事故ですね、そういうのが危険ですね」
落下物が原因となって起きた事故は去年1年間で29件、今年は4月末までに20件と去年を上回るペースで事故が起きています。
いずれも物損事故でしたが、重大な事故になっていた可能性もあったといいます。落下物の実態とは高速道路の安全を守る「交通管理隊」に同行しました。
パトロールをするは知念幸太隊員と大嶺雅英隊員です。知念隊員は落下物の回収にあたり、大嶺隊員は回収する時の安全確保など連絡役を担当します。
和やかな雰囲気の車内でしたが沖縄北インター出口の手前を走っていた時でした。
知念隊員「路肩にビニールがあった」
大嶺隊員「よし(手袋をつける)」
最初に、助手席にいた大嶺隊員が車を降ります。走行する車の状況を運転席にいる知念隊員に伝えながら車から降りるタイミングを知らせます。
隊員のすぐそばを猛スピードで走りすぎる車…、落下物の回収は決して安全ではありません。落ちていたのは「ビニール袋」と「ゴムチューブの破片」でした。
こうした落下物は車やバイクのタイヤが巻き込み、事故になる危険があります。車の状況を見ながら2人の隊員が同時に路上に走り出します。溝に空のペットボトルや空き缶などのゴミが落ちていました。
単なる空き缶でもスピードを出した車が踏みつけるとタイヤがパンクしてしまう恐れがあります。
交通管理隊・知念幸太隊員「車そのものを見るというより、運転手の顔を見てですね、その運転手が私たちを見ているか、よそ見をしているか、それを見て私たちも運転手に注意を仰ぎながら落下物の回収を行っております」
落下物の数は天候によっても変わり、風が強い日は多くなる傾向にあるといいます。
ネクスコ西日本沖縄高速道路事務所福地明人・管理課長「高速道路では高速走行により、積み荷などに風圧や振動がかかりますので長距離、長時間走行の際は、サービスエリア、パーキングエリアなどで積み荷の状況などを再度チェックしていただきますようお願いします」
安全・安心で快適な高速道路を維持するため隊員たちが道路の異常に目を光らせています。