先週土曜日、人口13人の小さな集落で素敵なお祭りが開催されました。主役は実に47年ぶりにこの集落に誕生した赤ちゃん。子宝をさずかった喜びは、何と、集落あげてのお祭りを企画するにまで至りました。岸本記者のレポートです。
本島北部にある大宜味村白浜区。塩屋湾に面するこの小さな集落が47年ぶりの赤ちゃんの誕生に沸いています。
地元のおばあちゃん「(これまでの白浜は)もう赤ちゃん誰もいないさね。ネコしかいないわけさ。(赤ちゃんが生まれてからは)とっても賑やかで、100人が騒ぐみたい。」
親川富成区長「大変うれしすぎる。喜びに満ちている状況です」
主役となるのは、去年10月に生まれた比嘉家の次女、生後6か月の時野(もちの)ちゃんです。お餅のような白い肌にモチモチのほっぺ。地域住民からは「もっちー」の愛称で可愛がられています。
比嘉貢野さん「白浜には以前から、高校の時から区長さんや区民とか郷友会の人に良くしてもらっていたので、いつかは住みたいな住みたいと思っていた。こういうきっかけで入れたっていう感じですかね」
浦添市出身の時野ちゃんのお父さんは、辺士名高校に進学した際、白浜の親川区長と地域行事を通じて出会いました。妻の茜さんとは2012年に結婚し、2017年から白浜区で生活しています。
5歳の長女と3歳の長男、そして6ヵ月の時野ちゃんが加わり、白浜区の平均年齢は71歳から51歳に若返りました。47年ぶりの赤ちゃんの誕生を地域で祝おうと、今回の「生誕祭」が企画されたのです。
地元のおじいちゃん「(Q:準備されていましたけど、作業的に苦しくなかったです?)それは大丈夫。嬉しいことに苦しいことはない」
時刻は午後6時半。いよいよ祭りが始まりました。時野ちゃんもおめかしをして登場です。人口14人の集落に100人を超える人が集まりました。
貢野さんも地域の人たちのため、そして娘のために得意の三線で盛り上げます。
会場には、時野ちゃんが生まれる47年前に白浜で生まれ、結婚する25歳までここで育った女性の姿もありました。
江藤清美さん「信じられない気持ちでした。信じられない気持ち。まさか!ね!この白浜に赤ちゃんができるっていうことがびっくりです。嬉しかったですよ。最初聞いて。嬉しかったです。寂しい時もあると思うんですけど、絶対大きくなったらここで生まれて良かったってなるので、そういう風に思ってほしいなって思います」
打ち上げられた花火が時野ちゃんの誕生を祝福します。祭りのフィナーレはカチャーシー。小さな集落に生まれた小さな命。明るいニュースが、今、白浜を照らしています。