沖縄カキ革命!目指せ世界ブランド。今日の主人公はカキの養殖漁師「梅津聡」。人呼んで「カキ養殖の魔術師」。彼が仕掛けた東京カキ大作戦に密着しました。
佐賀・有明のカキ。そんなカキが姿形を変え次々に登場。それは、まさに芸術作品。見るものすべてを驚かせる。
「すごい食い物だな」「だってこんな至福を味わっていいのかっていうね」
狙った獲物は逃さない。今日の主役はカキ養殖の魔術師「梅津聡」。舞台は華の都・東京。そんな東京で魔術師が仕掛けた「カキ大作戦」。その狙いとは?!カキ養殖の魔術師・梅津聡の東京外交に密着した。
梅津聡。佐賀県有明海でカキの養殖を行っている生産者で、現在、沖縄水産高校の生徒たちにカキ養殖を教えている講師でもあります。
梅津聡さん「(Q:何しに東京に来た?)今日は熟成肉の格之進さんとカキのコラボレーション。コラボしたイベントをやりに来ました」
六本木を中心に15店舗を展開している熟成肉専門店「格之進」。今、爆発的に人気のレストランです。そんな熟成肉とカキを組み合わせようというわけです。
格之進・千葉裕士社長「要は何が言いたいかというと味噌汁を食べさせたいわけではない。サッパリしたものですぐにスッといけるものがいい」シェフ「だしはどうします?」梅津さん「その出汁をカキで取れたらいいなと…」
丹精込めて作ったカキ。その味を最大限生かしてもらうため、料理の味付けやイメージをシェフに伝えます。
梅津さん「ソースとマヨネーズが別々といったが、やっぱ混ぜた方がいい」シェフ「そうだね」梅津さん「お願いします」
そしてシェフ同様、カキを提供するのにあたって重要な役割を果たすのがシャッカーと呼ばれるカキ剥き達人の存在です。
シャッカー「僕らはできるだけ生きたままで開けたい。貝柱がおいしいので、できるだけ傷つけないで開ける」
一流の生産者がカキを作り、一流のシャッカーがカキを剥く。そして調理するのも一流のシェフです。
そんな一流の集団が作る最高級の作品を食べるのも、もちろん味のわかる一流の方々です。
こちらは美食評論家の中村孝則さん。毎年発表される「世界ベストレストラン50」の評議委員長を務めた方で、食通として世界から認められています。
そんな美食家を、まず唸らせた逸品がこちら。生の熟成肉と生ガキを合わせた料理です。
中村孝則さん「いや、凄いですよ。レアなものの組み合わせって、すごく触感もすごく合うし、味わいのマッチングもいいし、衝撃的な美味しさですね」
続いて運ばれてきたのは、生ガキの5種盛りです。同じマガキでも大きさや味によってブランドが様々。
梅津さん「食べ方は大きい方から時計回りで食べてください。(Q:なぜ大きいものから食べる?)味。からかったり甘かったりするから。最後にえぐみのあまりないやつを食べる。後味がいいように」
梅津さんはカキの甘みや塩気など全てコントロールできるカキ養殖の魔術師。だからこそ、それぞれのカキの味を最大限、楽しんでもらうため食べる順番までも伝えているのです。
カキ養殖の魔術師でもあり、彼のその姿はカキの魅力を伝える「伝道師」でもあります。
この日、出されたカキの料理は全てで10品。どれもこれも想像を超えるものばかりです。そんな中、今回のイベントで梅津さんが最も伝えたかったことが…
梅津さん「カキは、カキを見るんじゃないです。生産者を見て買うんです、食べるんです。この生産者がちゃんとした考えを持っていて、知識を持っていて、お客さんのことを考える人だったらカキはあらないんです」
安心安全のカキを消費者に提供。梅津さんはカキを収穫した後、検査場に出し、ノロウイルスをはじめ、食中毒の原因となる菌が入っていないか、徹底的に検査を行っています。
しかし、この検査自体、今の法律では義務付けられておらず、検査を行っている生産者は数少ないといいます。だからこそ消費者は生産者を見てカキを食べるべきだというわけです。
梅津さん「カキ肉って美味しいよ、カキ、美味しいよ。最期に言いましたが、安全ってこうだよっていうのが広がると思うので、よかったと思います」
梅津さん「(Q:明日は休み?)明日は大分です。大分にカキの勉強に行きます」
カキ養殖の魔術師であり伝道師でもある梅津聡。その姿はまさに平成の「カキ王」。彼のカキへの愛は冷めることはありません。