自殺から2年5カ月。いじめが主な原因だと認めました。2015年10月、当時小学4年生の男子児童が豊見城市の自宅で首を吊って自殺した問題を調査した第三者委員会は、学校でのいじめが主な要因だったと認める調査結果を報告しました。
この問題で、豊見城市教育委員会の委嘱を受けた第三者委員会は、自殺との因果関係を認める調査報告書をまとめ、30日、市の教育委員会に答申しました。
調査報告書では、男子児童が他の児童にズボンをおろされたり、筆箱をパスして回されたりといった行為、少なくとも5件が、男子児童が苦痛を感じたいじめだったと認定。
「繰り返されたいじめ」と自殺との因果関係を認めたほか、男子児童が自殺する前の月に行われたいじめアンケートへのきめ細かい対応ができていれば自殺は防止できたとの見方も示しました。
天方徹弁護士は、「『どうすればいいんですか、物をとられたり意地悪されたりして、転校しようと思ってます』と。『SOS』ですよね、どう見ても」と話しました。
答申を受けた豊見城市教育委員会は、自殺は防ぐことができたとした報告書の指摘を「真摯に受け止めたい」と述べ謝罪した一方で、厳しい指摘には不満をのぞかせました。
照屋堅二教育長は、「一定の反省すべきことはありますので、道義的な責任については、我々あると感じております。しかし、あくまでもこの答申書では(自殺を防げたかは)『結果論』として書いていますので、そういう意味で『受け入れる』内容になっています」と述べました。
今回の報告書では、いじめ自殺の再発防止に向けた提言もなされています。まずこちら。日々の声掛けやアンケート、面談などで、いじめを積極的に見つけ出すこと。今回の問題では、男子児童がいじめ被害を告白したアンケートを担任の教師がいつ確認したのかが正確に分からないなど、いまだ真相が分からない部分もあります。
こうしたことを踏まえて、提言では、教師とスクールカウンセラーなどが連携して実効性と透明性の高い組織で対応することなども挙げています。
答申を受けた、児童のご両親のコメントです。「息子は二度と戻ることはありませんが、息子の死が少しでも今後のいじめを無くすことに役立つことを願うものであります」すべてはこの言葉に尽きるのではないでしょうか。
再発防止に向けた教育委員会や学校側の具体的な取り組みに注目です。