2020年の東京オリンピックを目指す県内アスリートを紹介しています。きょうは女子ラグビーの伊礼門千紫(いれいじょう・ちゃみ)選手。グラウンドで砂まみれになりながら頑張るその胸の内にはある「約束」がありました。
グラウンドで練習に汗を流す嘉手納高校ラグビー部。その中で明るい笑顔でプレーしていたのが、伊礼門千紫。小学生の時に、テレビで見た大学ラグビーに一目惚れし競技を始めました。
伊礼門千紫選手「大人数で1つのボールを奪い合う、そしてトライに向かって走るというのがとても魅力を感じて」
これまでU-15、U-18といった年代別の九州代表にも選ばれこの4月からは山口県にある女子ラグビーチーム「ながとブルーエンジェルス」でプレーすることが決まっています。
白石高一部長「ボールを持てば女子の中では強いですし、なかなか倒れないですしそのへんのフィジカルな部分で強い選手ですね。女子がラグビーをするのはとても厳しい環境なんですけど男子の中でそれをやり抜く力が魅力なんじゃないかなと思いますね」
県内の高校生で女子ラグビー選手は数人しかおらずそれゆえ練習は男子選手と一緒。メニューは女子だからと言って容赦されることはなく激しい練習が繰り返されます。
それでもその環境が、心に火をつけていました。
伊礼門千紫選手「自分の性格上、負けず嫌いなので、(男子に)絶対に負けないという思いがあって。大きい相手を倒せたら、どんなに気持ち良いのかなと想像したり(Qこいつ倒してやろうみたいな?)はい笑」
楽しそうにプレーする姉に憧れ、今では妹たちもラグビーをするようになっています。
伊礼門さん千輝「かっこいい」
伊礼門千珠さん「優しい」
伊礼門千紫選手「妹たちも徐々にラグビーの魅力を知っていってくれているので自分も一緒にラグビーをしていてとっても楽しいです」
名護市で暮らす伊礼門一家。3姉妹揃ってラグビーをしていることもあり会話もラグビーの話題が中心です。
父・和徳さん「練習どうだった?タックルもやった?」
伊礼門千紫選手「タックルっていうタックルじゃない、ブレイクダウン」
父・和徳さん「きょう(ユニホーム)汚れてるないっぱい」
食後には、練習の反省や今の思いをラグビーノートに記します。今はラグビー中心の充実した日々を過ごしていますが競技を始めた当初は、女子がラグビーをすることに家族を始め周りからの強い反対がありました
父・和徳さん「ラグビー自体があまり知らなかったので、女子があるということも知らなかったので」
母・愛奈さん「女の子には絶対ダメだなと思っていて千紫に何度も考え直してほしいという話もしました」
それでも、ラグビーへの思いは諦め切れませんでした。
伊礼門千紫選手「土下座しました。小学校の最後の大会が大分であったんですけど、中学校もラグビーしたいからその環境を作ってほしいという土下座をして」
その熱意に押され、両親も納得し全面的にバックアップ。中学高校とラグビー部がある学校へと進学させてもらいました。厳しい練習もめげずに続けられたのは両親への感謝の思いと、ラグビーを続けるうえで宣言したある「約束」があるからでした。
伊礼門千紫選手「「オリンピックに連れて行く」って約束もして。本当に好きだからこそ目指したいというのが強かったです今もだけど」
母・愛奈さん「本当にラグビーをしたい、そして絶対に代表になりたいと言われた時はこの子を信じるしかないのかなと思いました」
父・和徳さん「夢は叶えるものですからね、絶対行ってほしいですね」
母・愛奈さん「千紫が掴むものだからね」
伊礼門千紫選手「1人だけの夢ではないので、みんなの夢であるので必ず約束は果たしたいと思っています」
どんなに厳しい環境にもめげず、好きなラグビーを貫いてきた伊礼門千紫。約束の地、東京オリンピック出場を掴みにいきます!
伊礼門千紫選手「2020年の東京オリンピックを目指して沖縄から世界に羽ばたきます」