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翁長知事「いい形で代替案が出てこればいいのかな、という風には思っています」

知事として4回目の訪米。辺野古新基地建設の断念と、それに代わる案の実現は日米両政府の責任だとするのが県の基本姿勢ですが、翁長知事は出発前、代替案への期待を素直に語っていました。

ワシントンDCで県はシンポジウムを開催。90年代の国防総省長官、ペリー氏など、大物も登壇するなか、発言に注目が集まりました。まず講演したのは翁長知事。

翁長知事 「今の新辺野古基地の状況は、3年間、すでに工事が遅れてます。どんなに早くてもこれからさらに10年近くかかるという状況。色々国際情勢の変化がある中でですね、15年後くらいに完成する基地はそのときどういう状況の国際情勢、アジア情勢に対処するのかということが、まったく見えておりません。是非とも日米両政府においてですね、沖縄の基地負担の軽減につながる現実的な解決策が示され、提示され、それが実行されることを望んでいるわけであります。」

長い年月と莫大な費用ををかけて基地が完成するころ、沖縄に海兵隊が駐留している必要が果たしてあるのか。

アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金委員長との首脳会談が電撃的に決まるなど、国際情勢が日々変化するなかで進められる新基地建設の非合理性を訴えましたが、辺野古に代わる案には直接言及しませんでした。

一方、発言が注目されたペリー元国防長官。朝鮮半島有事への対応のため、今の普天間基地の能力を今後も維持する必要性に触れました。ペリー氏は、普天間基地の運用が長期化する可能性を示唆。一方でこちらも、”代替案”と言える提案はありませんでした。

むしろ、完成に10年かかる新基地を作るべきではない、という翁長知事に対し、同じ理由を、普天間が動かない理由にあげました。海兵隊が使用する艦船の母港である長崎・佐世保という具体案を向けられても、話はかみ合いませんでした。

ペリー氏のほか、兵力を駐留させず、外から来ることも可能だ、とする専門家の発言もあったものの、民間空港の共同使用やミサイル防衛の強化など、”負担軽減”を求める県から提案するには、ハードルの高い内容が続きました。

翁長知事「それなりの代替案、当然2つ3つ持ってるわけですけども、こういったのを出して出して、切られて切られてというですね、こういったものでこの件を話すことは難しい」

シンポジウムを終えた翁長知事。有識者などが提唱してきた案をベースにした”代替案”を持っていることを認めつつも、今後、県として公に提示するかは否定的となり、トーンダウン。

翁長知事「両政府がそれに少なくとも議論をしてくれるかどうか、これがポイントになると思いますね」

帰国後には「県民に妥協する要素はない」とも述べた翁長知事。日米両政府を議論に巻き込む、戦略の見直しを迫られています。