先月から石垣市で、電動スクーターのシェアリングサービスが始まりました。このサービス、専用のバッテリーステーションを設置するもので、台湾で始まり、ヨーロッパでも高い評価を受けているもので、日本初上陸ということなんです。一体どのようなサービスなんでしょうか。
雨の中、ずらりと並んだ水色のスクーター。
住友商事が、沖縄ツーリストや地元・石垣市とタッグを組んで、スタートした電動スクーターのシェアリングサービスの記者発表です。
住友商事モビリティサービス事業部・緒方剛副部長「まずはここ、石垣島にてスマートスクーターのシェアリング事業を開始いたします。」
実近記者「今回導入された電動スクーターがこちら、台湾製のGogoroの日本仕様車になります」
Gororoは、台湾のベンチャー企業が開発し、3年前に発売されたもので、洗練された車体のデザインとバッテリーステーションでの交換式バッテリーシステムなど、いま世界で注目を浴びている電動スクーター。
特に若者に人気で、すでに台湾では5万台が販売されたほか、ヨーロッパではベルリンとパリでシェアリングサービスが始まっています。
一体、どんなスクーターなんでしょうか。実際に詳しく見せてもらいました。
『これで電源を1回入れていただいて。起動音(ピコン)。こちらでいま電源が入った状態。こちらのGOボタンをおしていただくと0の表示が出ます。そうしますと、これで電源が入って動く状態になります。あと特徴的なのは、f29、r39というのがタイヤの空気圧」
センサーがタイヤの空気圧を測定して、表示します。電気の力で走るだけでなく、このように、様々なIOTの技術が搭載されていて、別名「タイヤがついたスマホ」とも呼ばれています。
果たして、乗り物としての実力はどうなんでしょうか。試乗してみました。
実近記者「加速はすごいいい感じです。スピードは全く問題ないですね。十分なパワーを感じます」
電動スクーターは初めて乗りましたが、特に加速については、ガソリン車より力強く感じました。
しかし、電動スクーターの最大の課題は、航続距離と、充電にかかる時間。
それを一気に解決したのがこちらのバッテリーステーション。
まずは、シートの下にある2本のバッテリーを取り外して、ステーションの、空いている場所に差し込みます。すると、十分に充電されたバッテリーが…
実近記者「おお、出てきましたね」
従来の電動バイクと違い、充電する時間を待つことなく、わずか6秒でのバッテリー交換が可能なのです。
フル充電のバッテリーの走行距離は80キロ。
バッテリーステーションは島内に4カ所、設置されています。市内中心部で新しいバッテリーに交換して、川平湾まで走ってみました。
実近記者「絶景です。一本道で先に海が見えます」
走行距離はおよそ25キロ。消費されたバッテリーは全体の5分の1。この航続距離だと、寄り道をしても島内をゆっくりと回ることができます。
実近記者「こうした静かな町並みをゆっくり回ることができるというのは、いいですね」
先月5日から始まったこのシェアリングサービス。現在、50ccのクラスが90台、125ccのクラスが10台の合わせて100台が導入されています。
125ccのタイプをレンタルした、こちらのカップルに話を聞いてみました。
カップル「僕がバイクが好きで、泊まったホテルでお見かけして、乗りたいなって急に思いまして。デザインも可愛かったので。最初の加速が速くて、ちょっとびっくりしたのはありましたけど、音がすごい静かで交差点とかでおしゃべりできて、楽しかったです」
そんなGogoro、日本初上陸として石垣市を選んだのにはどんな狙いがあるのでしょうか。
e-SHARE石垣・高橋良幸社長「Gogoroというのは、スクーターカンパニーだけじゃなくて、エナジーネットワークカンパニー。最終的には再生可能エネルギーを世の中、全世界に増やしたいという思いがある」
実は、Gorgoroのバッテリーステーションには、来月からソーラーパネルが設置され、太陽光でも充電されることになっています。
e-SHARE石垣・高橋良幸社長「再生可能エネルギーをどんどん世の中に増やしていって、それを使って電動モビリティを増やしていきたい」
住友商事では、近くGogoroのバッテリーが搭載可能な4輪車のシェアリングサービスもスタートする構えで、石垣島を「究極のエコアイランド」にしていきたいと考えています。
そして、石垣でのノウハウを生かして、今後、沖縄本島や本土にもサービスを拡大していくことにしています。
小さなスクーターがエネルギーの新しいネットワークを生み出そうとしています。