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アメリカ軍統治下に県民の人権を守るために不屈の精神で闘った政治家「瀬長亀次郎」。亀さんの愛称で親しまれました。彼の活動の資料が展示されている不屈館は今月5周年をむかえました。亀次郎が今なお愛されているわけとは。

不屈館5年 今も愛される「カメジロー」

『きょうは、カメさんが刑務所から出てくる日ですよ。沖縄のために戦っている亀さんをみんなで大歓迎しましょう』 

今月3日、お笑い米軍基地でおなじみの演芸集団「FEC」による「お笑いカメジロー」というライブがありました。

不屈館開館5周年を記念して行われた企画には、亀次郎さんの活躍を知らない世代から昔を知るお年寄りまで多くの観客が訪れ、亀次郎さんの不屈の精神に思いを馳せていました。

観客「(Q:今、亀次郎さんが注目される理由は?)やっぱり希望だと思います」「勇気をもらいました」「私は、また奮い立ったというんですか。忘れちゃいけないものを再認識させられた気がします」

不屈館5年 今も愛される「カメジロー」

FEC・小波津正光さん「自分の持っている信念を貫きとおすというところに(みんなが亀次郎さんに)惹かれるのかなと思います」

今脚光を浴びている瀬長亀次郎とは、戦後復帰運動の先頭にたった政治家で民主主義を訴え続けた人です。

不屈館5年 今も愛される「カメジロー」

那覇市若狭にある「不屈館」には、政治家「瀬長亀次郎」さんに関わるものが展示されている他、亀次郎さんを通して沖縄の戦後史が学べる場となっています。

不屈館館長・内村千尋さん「あっという間というか、すごくいろんなことをしたなっていう思い出に残りますけど。最初のころは、一人も来ない日があったんですよ」

「民衆の資料は民衆で守ろう」を理念に、公的な援助に頼らず運営している不屈館。開館以来入館者は3万人に上っています。また、去年12月には、不屈館に貴重な裁判資料の提供がありました。

内村千尋さん「長いこと宮古に眠っていたらしいんですけど、やはり不屈館のところが保存して活用していただいたほうがいいんじゃないかということで持ってらした」

不屈館5年 今も愛される「カメジロー」

1954年、人民党員をかくまったとして逮捕された瀬長さんが刑務所に入ると刑務所内で暴動が起き、いつも闘いの先頭に立っていた「亀次郎が騒動を起こしたのでは」という疑惑が持ち上がったのですが、見つかった81枚の資料は、事件の概要などが記され、亀次郎さんが暴動にまったく関係がなかったことを裏付けています。

不屈館5年 今も愛される「カメジロー」

内村千尋さん「その経過がいま調査中で私もはっきり言えないんですが、こういう貴重なものが届いたというのでとても喜んでいます」

来館者「ちっとも角張ったところのないやさしい方でしたね。ああいう方がいてくれたらな」「辺野古を瀬長さんだったらどうるすのかなーって、そう思う。瀬長さんだったらどんな行動を起こしていたんだろう、やってほしかったって思う」

瀬長さんの生きざまに共感する人、希望を抱く人彼のような政治家が今の政治に求められているものなのかもしれません。

FEC・小波津正光さん「どんどんどんどん情報だけは入ってくるんだけど、その物事に対する深さ。この物事を感じる考えるということがなくなっているんだと思います。だから、そういう熱さだとか、一つの物事に突き進んでいる人に魅力を感じるんだと思います」

内村千尋さん「亀次郎が最後にインタビューに答えて、やり残したことはなんですか?と。『基地の撤去』ができなかったことって言ったんですよ。それが遺言だと思ってね、この館は基地を撤去するまで、みんなががんばれるような資料の展示とか、みんなを元気にするような資料館にしたいなって思っています」

不屈館5年 今も愛される「カメジロー」