来月行われる石垣市長選挙。保守系現職に、保守系新人と革新系新人の2人が挑む構図となっています。その市長選の最大の争点は「自衛隊配備計画」の是非。告示前の動向を追いました。
中山義隆氏「国政としっかりパイプを結ぶことで、国とのパイプ、国政とのパイプはなお一層、太くなったと思っています」
宮良操氏「市民の未来は、この島の将来は、子どもたちに残していく島の在り様は、私たち市民が決めようじゃありませんか」
砂川利勝氏「石垣市政の発展は私の手に任せて下さい。この戦い、何が何でも制して、石垣を変えていきたい」
新しい空港が開港して観光が好調な石垣市。離島桟橋や公設市場などは観光客でにぎわっています。観光産業に後押しされ、建設ラッシュ。元の空港跡地は県立八重山病院の建設が進み、石垣市役所の新庁舎建設も予定されています。
農業もブランドが定着した石垣牛が高値で取引されるほか、パインやマンゴーなど季節ごとの熱帯果樹の栽培も盛んになっています。
上地和浩さん「空白地帯、それを埋めるということで、やはり国防の観点からだとは思います」
川満哲生さん「基地ありきの、基地を造るための説明だと言うんだったら、これは聞けない」
好調な経済の石垣市に降ってわいたのが「自衛隊配備計画」。計画の場所は石垣島の中心部。ここは沖縄本島や台湾からの開拓移民の人々が、長年にわたって開墾し、今ではパインやサトウキビ畑、マンゴーや野菜のハウスが立ち並ぶ、石垣島を代表する農地です。
優良農地にある嵩田、於茂登、開南、川原の4地区の住民らは、国の計画に一斉に反発。石垣島は反対と推進の分裂状態に置かれています。
八重山自衛隊家族会の上地和浩さんは推進の立場。
上地和浩さん「私たちの子息が自衛隊で今、頑張っている訳なんですよ。自分の子どもが自衛隊を選んで入ったからには、やはり親としては、また家族としてはそれを後押ししていかないといけない」
一方、自衛隊配備計画地でマンゴーやアセロラをハウス栽培する川満哲生さんは、農地が潰れる計画に反対します。
川満哲生さん「僕は農業やっているんで、将来はこの石垣島からアジア向けの農産物を発信できるような地域にしたいんです。僕たちは(自衛隊基地を)受け入れられない」
この自衛隊配備計画をめぐり、今回の市長選挙では3人の立場が異なります。
現職の中山さんは「防衛は国の専権事項」と容認の立場。
中山義隆氏「反対する方もいらっしゃるとは思いますけども、ただ日本全体の安全保障、防衛、国防、それを考えた場合に全く話を聞かずに拒否するということはない。白紙撤回ということに関しましても、今、防衛省の方は現予定地を最適地として出してきているわけですから、詳細を聞く前に白紙撤回ということは現実的ではない」
自民党県議を辞任した砂川さんは別の場所でとの考えです。
砂川利勝氏「最初の私の対話で作る島づくりという意味では、今回ここはいいんじゃないのと。あれだけ反対運動が起こっていて、なかなか合意も得られないし、そこはいったん白紙で、そこにはいかなと。別の場所でしっかりと対話が出来て、納得得られる所で進めていければと私は思っています」
明確に反対を打ち出しているのは、市議を辞職した宮良さん。
宮良操氏「73年前に起こった戦争も一部の国の指導者による専権事項で起こった。この島が標的の島になろうとしています。是が非でも、この平和を土台に、環境を土台に、発展可能な石垣島の島の在り様を私は確立していきたい」
公明党は現職の中山さんを推薦しました。自衛隊配備問題が起きてから、賛成か反対かの市議アンケートで、公明党の2人の市議は「反対」と回答しています。
記者団の質問「自ら誘致する、しないではなくて、この島に(自衛隊の)配備に反対か賛成かというところで公明党としての考えは変わったのか?」
大石行英公明党市議「いや、それは一切、変わっていないと思います。中山市長の名言がございます。平和を希求する限り攻められることは絶対ないという名言をいたしました。この名言が私は根幹だと思います」
石垣市長選は、自衛隊配備問題で保守分裂と革新が入り乱れ、混とんとんとした情勢にあり、市民がどう判断するのか、告示は今度の日曜に迫っています。