先週もお伝えした「県内企業の外国人採用」。外国人観光客の増加や企業のグローバル化などで、今、高い技能を持つ外国人の採用が県内でも増えています。今回は県内のIT企業。5カ国語を話せる外国人社員が活躍していました。
オフィスで、タイのクライアントと英語でミーティングをするこちらの男性。実は…
「こんにちは、カルミ・メヒティと申します」
モロッコ出身のカルミ・メヒディさん。何と、5カ国語を話せるんです!
カルミさんが働く那覇市のパーソルプロセス&テクノロジーは、世界におよそ90のグループ会社をもつ大手人材総合サービス「パーソルグループ」のIT企業で、グループ内外の大規模なシステムの開発や保守、運用を行っています。
沖縄は、ベトナムとともにIT部門のグローバル拠点と位置づけられています。
海外拠点とともに開発を行うグローバルチームの公用語は英語。社員は勤務時間内に英語のレッスンを受けることができるなど、徹底したグローバル化が進められています。カルミさんはまさに、そんなグローバルチームのキーパーソン。
カルミさん「日本のエンジニアに技術力は勝てないと思って。じゃあ何ができるか、どこで競争できるかと考えると、これまで海外の方と協力しながら仕事をしてきて、その経験を生かして仕事をできるんじゃないかと思った」
現在は10カ国以上のクライアントを相手に、海外プロジェクトのマネージメントを担当しています。
カルミさん「基本的にお弁当」
この日は同僚とランチを楽しむカルミさん。日本人社員にとっても、カルミさんの存在は大きいようです。
同僚「色んな国のメンバーと一緒に仕事をするというところは刺激を受ける。常に色んな発見があって、こっちも新鮮な気持ちで取り組ませてもらっています」
楽しいランチタイムのあと、カルミさんがどこかへと向かいます。
カルミさん「これから礼拝です」
イスラム教徒のカルミさんにとって、1日5回のお祈りは欠かせません。カルミさんは子どもの教育のためにと、2年前にモロッコから沖縄へ移住しました。奥さんの香波さんはウチナーンチュ。家では息子のユーセフ君と家族団らんのひと時を過ごします。
カルミさん「(息子が)2歳になって、そろそろ教育も考えないといけない時に、日本の教育システムがしっかりしていて、日本で教育を受けた方が良いのではという話になって(来た)」
カルミさんのような多様なバックグラウンドをもつ人材を採用する企業の狙いは、何だったのでしょうか。
パーソルプロセス&テクノロジー 仲本貴紀GM「海日本人だけだとやはり意識改革が進まない部分がありました。外国人の方、特に他の国でも働いたことがある方などに来てもらい、お互いに刺激しながらレベルアップするという目的で積極的な採用をしている」「沖縄県内でも、世界中の色々な仕事ができるという環境にしていきたいと思っています」
従来のような本土の下請けではなく、沖縄から海外に向けた新しいビジネスモデルを実現するために、カルミさんのようなスタッフの存在は欠かせません。
仲本GM「すごく優秀。採用して良かったなと思っています」
カルミさん「ありがとうございます。もっと頑張りたいと思います」
そんなグローバル人材、カルミさんの目標は?
カルミさん「海外とのブリッジになりたいというのが目的。これからもっと海外で拠点を増やして海外のお客様の案件を持って、海外のお客様の高いバリュー(価値)のサービス、品質の高いサービスを提供したいというのが目標です」