普天間第二小学校に窓を落下させたCH53Eヘリが、事故以来6日ぶりの飛行再開です。
まずは、飛行再開の30分ほど前にカメラが捉えたこちらの映像をご覧ください。正午ごろ、ローターを回し、今にも離陸しようとするアメリカ海兵隊のCH53E。何度か浮き上がりますが、前後のバランスが不安定。この機体は結局、ローターを完全に停止させ、離陸を諦めてしまいました。
18日の発表では、すべての機体を徹底的に点検したはずではなかったでしょうか。宜野湾市民は「また同じようなことが起こることを考えれば、あってはならないことだと思う」「病院とか保育園とか学校のある場所はなるべく(飛行を)避けてほしいとは思います」「これがアメリカとかで落ちていたらどうなんだろうなと思ったりする」などと話していました。
午後0時24分、CH53Eヘリが普天間基地を離陸。事故を続発させる機体が再び沖縄の空に浮かび上がりました。
18日夜、飛行再開を容認した沖縄防衛局は、アメリカ軍の開き直りとも言える見解を県に伝えていました。謝花喜一郎知事公室長は「飛行訓練をしない期間が長引けば長引くほど、危険が増すんだというような話も米側がしているというような話も言っていました。ふざけるな、と。老朽化、兵員の疲弊、過剰な訓練、こういったことがですね、もうこの1,2年で相当繋がっているものではないか」と話しました。
県側の懸念を裏付けるような資料も見つかりました。アメリカの有力な調査機関、ヘリテージ財団が海兵隊の兵力を調査した際の報告書です。最新版の資料には、こんな記述があります。
『2016年12月末の時点で、海兵隊の固定翼機・回転翼機のわずか41%の機体のみが飛行可能だとみなせる』
なぜ全体の41%しか飛行できないのか。その理由は、さらに2年前の報告書に垣間見えます。
『整備工場は、調達の削減や人員削減によるストレスを抱えー』『影響を受けている航空機は、長期間、修理やスペア部品を待ち望んでいるー』
このように指摘し、事故のリスクを警告していた報告書。事故はまた起きるのではないか。
宜野湾市役所では、不安を募らせた人が宜野湾市内を視察中の国会議員に直訴しようと、到着を待っていました。アメリカ軍ヘリの部品が見つかった緑ヶ丘保育園の神谷武宏園長です。神谷園長は「私たちの上空をヘリが飛ばないように、私たちの命が軽視されないようによろしくお願いします」と要請しました。これに対し、沖縄北方問題特別委員会の石井浩郎委員長は「固定化はいけない」と答えました。
最大限、可能な限り学校上空を飛ばないという口約束だけを頼りに、子どもの命を守らなければならない理不尽が続きます。
菅官房長官は会見で「米側から(飛行を)再開するための措置が取られたと判断して、防衛省において公表したということ」「政府としては、米側が学校上空を飛行させないよう引き続き強く求めていきたい」と述べました。
小野寺防衛大臣は「最大限可能な限り避けるということは、基本的には飛ばないというふうに我々は認識している。その上で、防衛省としては今回の米側の措置に加えて、普天間第二小学校の上にカメラの設置等を行うことにより、仮に米側が同校の上空を飛行した場合には、直ちに米側に対して申し入れる旨の対応を行っていきたい」と述べました。
翁長知事は「保育園、小学校という子どもたちにとって一番安全であるべき場所で、重大事故を繰り返し発生させたにもかかわらず、わずか6日で飛行再開を強行した米軍の姿勢は、県民の理解を得られるものではなく、良き隣人とは到底呼べません」と述べました。