危険な日常が改めて浮き彫りになりました。7日午前、宜野湾市の保育園の屋根の上でコップのような形の物体が見つかりました。普天間基地を離陸したヘリからの落下物とみられています。
久田友也記者「ヘリコプターからの落下物とみられるものが見つかった宜野湾市野嵩の保育園です。木々がうっそうと生い茂るあちらの1キロほど先に、普天間基地の滑走路があります。園児たちはいつも通り、アメリカ軍のヘリコプターが上空を行き交うなか、園庭で遊んでいました」
7日午前10時20分ごろ、宜野湾市の私立保育園で、上空から落下したとみられる長さ10センチ、直径8センチほどのコップ状の物体が見つかりました。直前に、屋根に何かが落ちる大きな音がしたということです。
保育士の新垣リナさんは「ドン、という音ですかね。物が落ちた音です」と話していました。保護者は「万が一、園庭の方に落ちて子ども達に当たっていたらと思うと怖くて、部屋の中にいてよかったなと思いもありました」「無事かどうか気になったけど顔を見て安心しました」と話していました。
音がする直前の午前10時20分ごろに、普天間基地を離陸するアメリカ軍のヘリコプター。このあと、保育園の方角に飛んでいくのが確認されました。
神谷武宏園長は「またいつこういうことが起きるかわかりません。たまたま今回は被害が出ていませんですけど、あれだけの物体が落ちてきたわけですから。もしかしたら園児がケガではすまないような状況が起こりますよ、これからも。1日も早く閉鎖してください。私たちの民間上空を飛ばないでください」と話しました。
落下物とみられる物体はすでに警察が回収していて、アメリカ軍のヘリが落としたものとみられています。
地元、宜野湾市の佐喜眞市長も事態を重く見て、すぐに現場に駆け付けました。佐喜眞市長は「我々が一番心配していたようなことが実際の街の中、特に保育園で起こったということは本当に極めて遺憾」と話しました。
今回の事態に、翁長知事も「事実だったらとんでもない話。いつでも起こりうることでありますから、改めて詳しく実情を知ってから、またぶら下がりを受けたいと思いますので」と怒りをあらわにしました。
一方、多くの子どもたちが過ごしている保育園への落下物という危険な事態に、政府も対応に追われています。小野寺防衛大臣は「いずれにしても米軍機の飛行に際しては、安全の確保が大前提であるという認識のもと、引き続き米側に対し安全面に最大限の配慮を払うとともに地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう強く求めていきたいと思っています」と話しました。