離島の人々に読書を楽しんでほしいと空を飛び回っている人たちがいます。その名も「空とぶ図書館」。一体どんな取り組みなんでしょうか。
県立図書館のバックヤードにある一室。ここが空とぶ図書館の本部基地です。
飛行機で離島へ渡り、読書の機会が少ない地域へ本を届ける空とぶ図書館。この日は、次の開催地となる西表島へ運ぶ本2000冊を選ぶ作業が行われていました。
県立図書館事務補助・仲宗根葉月さん「西表西部は赤ちゃんも多いので、赤ちゃん絵本も多めにとってます」
重要なのは現地でのアンケート。その地域の人口、年齢、学校での部活の種類に至るまで、細かな情報が本選びのポイントになります。
県立図書館・呉屋貴司さん「利用者の声がないと、なかなか我々の考えだけでは選べないところもあるので」
お届けエリアは、伊平屋島をはじめ与那国島までを網羅。日本地図に当てはめるとその広さはごらんの通り。
県立図書館・仲地喬哉さん「(子どもたちにも)本との出会いを通して外の世界とかを知ってほしいなと思って。いろんな情報に触れる機会になってくれればなと思います」
出発の日。仲地さんのスーツケースにはたくさんの本が。
仲地さん「離島の方々の読みたい本が提供できるように、今回20冊手もちで持っていくことになりました」
本を送る際に貸し出し中だったリクエストの本も、出発日に間に合えば手持ちで運びます。
飛行機に乗り込み石垣島まで1時間。さらにフェリーに乗って45分。西表島に到着です。
会場に入るとすぐに準備開始。すべてのエリアの設置が終わると、まさにそこは図書館!いよいよ空とぶ図書館スタートです。
女の子「今は8冊?だって超読みたいもん」
男の子「(Q何冊借りる?)15冊」男の子のお母さん「(マイバックは)おうちから持ってきました。いっぱい入れるのがわかってたから、丈夫なやつ持ってきました」
お母さん「チョイスが難しいらしい。いろいろ聞いてるんですけど、これじゃない、これじゃないって」
本屋さんも図書館もない西表島。大人も子どももお目当ての本探しに真剣です。リクエストした本が無事借りられた人は。
女性「やっと借りられたので、これできょうはゆっくり見ます」
海や魚に興味のある子どもが多いと聞き、今回初めてタッグを組んだ美ら海水族館のワークショップも大賑わいです。
男の子「(サメは)虫歯の時もある?」
美ら海職員「虫歯にならないんだ。(人間は)一生で1回しか歯が生え変わらないんだけど、サメさんはずっと歯が生えてくるの」
女の子「見て、歯がすごい、歯がすごい」
小学校3年生の國岡玉那さんは、毎回家族で空とぶ図書館を利用しています。家に帰ると早速読書。それぞれの世界を楽しむ時間です。
國岡恭子さん「図書館がないから、ああやって本が並んでいる状況がなかなかないので。やっぱり表紙とか紙の感じとかは手に取らないとわからないから、手に取るっていう楽しみがありますね」
國岡幸雄さん「(ネットとかで)お金払って買う場合、決定的な本しか買えない。移動図書館っていうのは広く作家の人とかが見ることができて助かっています」
読書が好きになった玉那さんは、去年学校で1番多く本を読み、賞をもらいました。
國岡玉那さん「(Qこれだけ読むの大変じゃなった?)面白かったからよかった。(3年生では)これを超えて400冊いきたい」
離島の人々にもたくさんの本との出会いを。空とぶ図書館が新たな旅へと連れて行ってくれます。