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72年前の沖縄戦では約20万人余りの命が奪われ、住民の犠牲は9万人を超えたとされています。
11月30日、沖縄戦で体や心に被害被害を受けた住民や遺族らが国に対し、謝罪と損害賠償を求めている裁判の控訴審で、福岡高裁那覇支部は住民側の訴えを退けました。
この裁判は、沖縄戦で被害にあったのは国が住民を保護する義務を怠ったからであるとして、住民や遺族ら66人が国に対し謝罪と損害賠償を求めているものです。
2016年3月の1審判決で那覇地裁は「民間人に補償がされていないことは不合理な差別とまでは認められない」などとして訴えを退けていて、住民側は控訴していました。
30日の裁判で、福岡高裁那覇支部の多見谷寿郎裁判長は、一部の控訴人に日本兵による自殺の教唆行為の存在がうかがわれることや、戦争PTSDで苦しんでいることなどを認めましたが、1審判決を支持し、住民側の訴えを退けました。
裁判の後、瑞慶山弁護士は「集団自決とかPTSDの事実を認めていながらも、損害賠償請求を棄却したというのは非常に不当」と話し、野里千恵子原告団長は「少しは希望を持っていたんですけど、あんなにあっさりと切り捨てられるとは思っていませんでした」と話しました。
住民側は上告する方針です。