伊波「楽園の海案内は水中ビデオカメラマンの長田勇さんです。今回のテーマは「秋の西表島」です」
長田「ここ数年、サンゴの白化が懸念されていますが、今回は久しぶりに西表島へ行ってきました」
伊波「さて、西表島ではどんな景色が広がっていたのか、早速見てみましょう」
長田「今回は、西表島の上原港から出港します。ダイビングのポイントまで、とっても近いので、私もよく利用します。向かった先は・・・」
伊波「わ~、真っ青でキレイですね」
長田「西表島と鳩間島の間にあるポイント。10月になって涼しく感じるようになりましたが、海の中はどうなっているのか見て行きましょう」
伊波「お魚やサンゴがいっぱいあってキレイですね」
長田「水深の浅いところに真っ赤なイソバナ。流れの速い所に群生します」
伊波「芸術作品のようですね。海の青にとっても映えています」
長田「水深3mと浅い所ですので、色もきれいに見えますね。岩陰でも水中ライトで明るくすると・・」
伊波「うわ~、これまたキレイですね。」
長田「植物にも見えますが、これはサンゴの仲間です。アップで見てみましょう」
伊波「ポリプが花咲いたように広がってますね」
長田「流れてくるプランクトンを食べようとしているんです。この綺麗なイソバナに棲みつく生き物もいます。付け根付近にイソバナガニ。擬態しているつもりでしょうが、裏からみるとバレバレですね」
伊波「ホントですね、可愛らしいですね」
長田「こちらは水深10mにあるサンゴ礁」
伊波「小さな魚がいっぱいいますよ」
長田「数が一番多かった魚は、体が透けているスカシテンジクダイ。秋になると数が減ってしまいますが、まだまだいっぱいですねそれを狙うハナミノカサゴの姿もありました」
伊波「サンゴに混じって、どこにいるかわからなくなりそうですね」
長田「こちらは個体数の少ないクロオビアトヒキテンジクダイ。逃げるわけでもなく、じ~っとしてます」
伊波「みんなで何を見てるんですかね?」
長田「その近くを、ちょこまか泳ぐ黄色い魚。」
伊波「凄く小さいですね。」
長田「アップで見てみましょう。サンゴがないと生きていけないキイロサンゴハゼ。体長2cm弱ですよ。一か所で、じ~っとしてくれないので、ビデオ撮影難しいです」
伊波「確かにこれだけ小さいと大変そうですね」
長田「こちらは、擬態名人のハダカハオコゼ。エダサンゴの隙間でのんびりとしていました」
伊波「植物に見えるくらい擬態が上手ですね」
長田「すっかり、環境に溶け込んでいて、誰にもバレないと思いきや・・」
伊波「他の魚が来ちゃいましたよ!?」
長田「体長20cmのクマドリが急接近!さすがに一瞬ヒヤっとしたようです。最後は、高水温の影響が心配される浅瀬の枝サンゴの群生地を見に行きました」
伊波「色鮮やかでキレイですね」
長田「映画『てぃだかんかん』の撮影で、潜った場所なんで、私としても思い出深いポイントなんです。ですから、毎年ニュースになる水温上昇やサンゴ白化情報は、常に気にしている場所なんです」
伊波「今年の西表島のサンゴは大丈夫だったんでしょうか?」
長田「以前と比べると、台風などの影響で2割ほどのサンゴが減ってしまった感じですが、まだまだ元気で、安心しました」
伊波「無事元気でよかったです」
長田「石垣と西表の間の石西礁湖は、去年今年と大規模のサンゴ白化が発生しましたが、同じ水温なのに、この場所は、ほとんど白化無しだったようです。西表島には山があり、その山から川を下って海に流れ出る栄養分など、サンゴにとって、とてもいい環境がこの西表島の海にはあるのかもしれませんね」
伊波「久しぶりに西表島の海に潜ってみてどうでしたか?」
長田「元気なサンゴ礁潜れてよかったです」
伊波「今日もありがとうございました。以上楽園の海でした」