続いてはQプラスリポートです。宮古島の子牛市場が過去例をみないほどの好調です。しかし課題もあり、解決に向けて意外なものを活用した実験が行われていました。
宮古島市上野。早朝から作業をしているのは畜産農家の上地さんです。
畜産農家上地豪一さん「自分は68歳だけど牛農家では若手(Q若いころに比べて体力は?)息子がきつい作業をやってくれるさーな。それがあるから続けていける。この頭数でもね。」
子牛市場の高値取引価格が好調に推移する一方、農家の7割以上は高齢者。牛舎と自宅が離れているケースも多いことからある課題が農家を悩ませていました。
宮古家畜保健衛生所仲村敏所長「お年寄りの農家さんに多いんですが。分娩に立ち会えなくて朝行ったら生まれて子牛が死んでたとか。県内の他の地域と比べて非常に宮古島市は多いんですよ」
宮古島で子牛の死産は年間でおよそ180頭と県内でもワーストの地域となっています。
畜産農家上地さん「人間が足くくって引っ張ってあげないと出ないのも多いわけ。時間かかるのも死亡につながる。なかなか(死産)ゼロとはいかない。ゼロにできれば一番最高だけどね」
そこで地元のケーブルテレビ局、宮古テレビが実験に乗り出したのは、首都圏を中心に提供されているIоTを活用した見守りシステム。
イッツコミュニケーションズ岡田和久さん「通常は一般のお客様を想定したサービスだったのでどこまで(牛舎で)有効なのかっていうところが正直わからなかった。実際に現地へ行って業者の方とお話しすると深刻な問題を抱えているなと」
宮古テレビIT事業部大窪将介さん「畜産の方もなかなかシステムを組んだりとか自分でやるのは難しくて。ましてや高齢者の方は全然できないと思うので、そういうところを私たちがサポートできればすごくいいんじゃないかと」
宮国さん「下の方まで見えてるので大丈夫だと思う。こんな感じ。」
中西さん「いいですね」
実証実験が始まった中西さんの牛舎にはIPカメラが設置されスマートフォンでその様子を確認できます。
畜産農家中西卓哉さん「昨日の夜、本当にこのカメラに助けられたんですけどなんの前触れもなく出産が始まって。(スマホをみて)足が出てきてるっていってすぐに飛んできて到着して15分くらいで生まれた子牛」
IPカメラの映像はIDを共有すればだれでも牛の様子を見ることができます。
中西さん「そういうのを使って高齢者の牛舎を地域で見守っていくっていうシステムが構築できたらいいねという話はでてますね」
暮らしや農業。さまざまな場面で広がるIoTが地域の人々を繋いでいきます。