さて、22日に投開票が行われる衆議院選挙。きのうから各選挙区の戦いの模様をお伝えしていますが、今日は、最大の争点とされる基地問題で注目される、名護市辺野古や、東村高江を抱える沖縄3区です。
衆議院沖縄3区は、14の市町村を抱える最も広く、有権者も、最も多い選挙区です。3区には今回、前職2人と新人1人の、3人が立候補。
注目は、無所属前職の玉城デニーさんと、自民党前職の比嘉奈津美さんの戦いです。
衆議院選挙でこの2人が戦うのは、今回が3回目。
野党が分裂し6人の候補が乱立した2012年の選挙では、比嘉さんが、保守層の支持を固め、68000票余りを獲得して当選。
その後、前回2014年の選挙では、一騎打ちとなり、翁長知事を支えるオール沖縄勢力の支持をまとめた玉城さんが、89000票余りを獲得して当選しました。
3度目の戦いとなる、今回。
玉城さん「もう新しい米軍基地はごめんですよというのが県民の本意です。」
玉城さんは、名護市辺野古への新基地建設や、オスプレイの配備に反対する立場を鮮明にしていて、オール沖縄勢力の全面的な支援を受けています。
自由党に党籍を置きながらも、辺野古移設反対の姿勢を明確にするため、今回は無所属での出馬。
玉城さん「消費税を増税したら一番負担がかかるのは、ミルク代を買うお金もダイヤモンドを買うお金も、等しく10パーセントに並べたら、ミルク代を買うのに、困っている若い世帯の方に重くのしかかってくるのは誰の目にも明らかです。」
玉城さんは、消費税増税についても、格差が拡大するだけだと、反対の立場を明確にしていて、安部政権の強権政治を強く批判しています。
今回の選挙では、公示の翌日に、選挙区内である東村高江にアメリカ軍の大型輸送ヘリコプターが不時着・炎上。玉城さんは、今回の事故に対する県民の怒りを、選挙で示してほしいと有権者に訴えます。
玉城さん(総決起大会)「みなさん、許せないという思いを、ぜひ私の選挙で示してください。これは、ウチナーンチュが試されています。玉城デニーが試されています。翁長知事が試されています。そして皆さんが試されています。」
玉城さん「私には後がありません。無所属の候補として今回立候補していますので、まさに選挙区で勝ち上がるしかないんですね。そのためにブレない信念でしっかりとそのみなさんの熱い思いを受け止めて、必ず勝利したいと思います。」
比嘉さん「私『港の女』と呼ばれています。『港の女』になるためには、予算を取るためには、たくさんのことをしてまいりました。」
出発式で自身の愛称を紹介した比嘉さん。中城湾港や本部港の整備や、クルーズ船の寄港のためにかけずり回ったと、経済振興の実績を強調します。
比嘉さん「反対反対、そして物事を進められない、決められない。そういう人たちに政権を譲るわけにはいきません。私たちに仕事をさせてください」
比嘉さんは、環境大臣政務官を務めた経験など、政策の実現能力を訴えていて、沖縄市長やうるま市長など選挙区内の多くの首長から支援を受けています。
比嘉さん「環境大臣政務官として、やんばる3村を国立公園指定しました。今、世界自然遺産にエントリーしています。それも成し遂げたい。」
名護市辺野古への新基地建設については容認の立場で、今回、選挙期間中に起きたヘリコプターの不時着・炎上事故については、政府の中で、沖縄の声を訴えていると強調します。
比嘉さん「自民党の人間ではありますが、(岸田)政務調査会長にも強い口調で訴えたのが現実で、これはもう沖縄の人間としての沖縄の国会議員としての立ち位置での発言だと私は思っています。残すところあと数日、しっかりとガッチリといけるものだと思って頑張ってまいります。強い味方がたくさんいますから私には、味方のみなさんのエネルギーもいただいて、頑張ってまいります。」
3区にはこのほか、新人の金城竜郎さんも立候補していて、防衛力の強化や、消費税の減税を訴えています。
これまで常に、基地問題に翻弄されてきた沖縄3区。有権者の判断は、22日に示されます。