10月に入ってもまだまだ暑い日が続いていますよね。日差しの強い沖縄。あなたもビーチで日焼け止めを塗っていませんか?
実は日焼け止めに含まれる成分の一部がサンゴ白化の一因と言われているんです。沖縄のサンゴを守ろうと立ち上がったのは…。
10月に入り、少しずつ秋めいてきましたが日中は30度近くまで上昇する県内。ここ座間味島では平日にもかかわらず多くの観光客で賑わいを見せています。
観光客カップル「めっちゃ綺麗」「今まで行った中で一番きれいですね」
観光客カップル「(Q紫外線対策していますか?)日焼け止め塗ったぐらいですね。」
女性2人「最高すぎて、1か月半前に来たばっかりでまた来ました」
女性2人「(Q紫外線対策していますか?)日焼け止め!」
日差しの強いビーチでは欠かせない「日焼け止め」ですが、近年、気になることが海外などで報告されています。
名桜大学田代豊教授「日焼け止めに含まれる物質というのがサンゴなどに影響を与えるのではないかと研究報告が発表されている」
実は日焼け止めに含まれる成分「オキシベンゾン」などがサンゴの白化の一因であると言われていて、ハワイなど海外ではこうした有害成分を含む日焼け止めの使用を禁止しているビーチもあるといいます。
名桜大学田代教授「沖縄の周辺の海域で水の中から日焼け止めとして使われる成分がいくつか検出されている」
そこでサンゴを守ろうと生まれたのが、有害物質を含まない「サンゴに優しい日焼け止め」でした。
呉屋由希乃さん「年々、サンゴが元気がなくなってきていますし、それは本島でも顕著にみられて、20年前の(座間味の)海からすると全然違うというのが正直なところですね」
呉屋由希乃さん、県内のスキンケア企画販売を手掛ける女性起業家です。商品開発のきっかけは2年前、座間味でマリンスポーツを楽しんでいた時でした。
呉屋由希乃さん「この古座間味ビーチにシュノーケルをしに来たときに、日焼け止めをばっちり塗って入ろうとしたら、ダイバーさんに『サンゴ死んじゃうよ』って言われて。自分が汚染の原因になっていると思ったときにじゃあ、どうしたらいいんだろうって私はすぐ考えたので。何かしら行動をしないといけないと思いました」
それから、クラウドファンディングで資金を募りおよそ20か月かけ、自然分解が可能な成分を使って独自に商品を開発をしました。
呉屋由希乃さん「すごく大変でした。販売していくのにサンゴにいいものを使いませんかという提案が一番大変で、そんなの聞いたことないっていう方がほとんどだったので」
商品の販売は、まずはまわりの人たちの概念を変えるところからのスタートでした。島にあるマリンショップでは今年5月からサンゴに優しい日焼け止めを取り扱っています。
「DRIFTER」西川泰廣さん「実際海にツアーで行って、(サンゴを見て)帰ってきて、『この日焼け止めはサンゴにいい』と言うとお土産がてら買って帰る方もいらっしゃいますね」
島の人たちにも徐々に広がり、座間味島の新たな特産品としても期待されています。
座間味村長宮里啓さん「国立公園になる要因としては、やはりサンゴというのはとても大きかったと思いますし、いかにサンゴを保全していくか、大きなテーマでありますので。座間味村から発信をしたいという女性起業家が来たことに関しては本当に心から嬉しい」
呉屋由希乃さん「小さなきっかけ。例えば『日焼け止めってサンゴに悪いの?でも生活排水の方が悪いんじゃないの』という声をもらいますけどそれを考えてくれただけで成功なんですよ」
呉屋由希乃さん「『でしょ、そう思うよね。じゃああなたは何ができますか?私は何ができますか?』皆が一人一人考えられるような環境、意識の種を植えていくということが一番大事なので、それは日焼け止めがきっかけでいいと思うんですよね」
意識の種を植える呉屋さんの挑戦はまだまだ続きます。